
石油ストーブのトップシェアメーカーであるコロナは、世界初の自然冷媒CO₂家庭用ヒートポンプ給湯機「エコキュート」を発売したメーカーでもあります。コロナがなぜ世界初の栄冠をつかみ、今なお高いシェアを獲得しているのか。その背景には、創業の地であり現在も本社を置く、金物の町・燕三条が培った伝統に裏打ちされた技術力があります。世界初のエコキュートを生んだ技術力の源泉について、株式会社コロナの皆様にお話を伺いました。
地場産業の金物加工技術が世界初に選ばれた理由

―コロナが世界初のエコキュートを発売できたのはなぜなのでしょうか
世界初のエコキュートは当社だけが手掛けたものではなく、自動車関連事業を展開するデンソーさん、電力会社である東京電力さんとの共同開発による製品です。
エコキュートの貯湯タンクユニットの開発に伴い、石油機器で貯湯タンクの実績がある当社にお声がかかり、2000年から共同開発が始まりました。そこから三社で共同開発を行い2001年、当社が世界初のエコキュートのパイオニアにたどり着きました。
当社が選ばれた理由の一つが、当社の地元である新潟県燕市・三条市が地場産業として培ってきた金物技術です。燕市と三条市は古くから金物・刃物の町として知られ、金属製品を扱うメーカーが今なお集まっています。

コロナの貯湯タンクで使われる溶接技術(左)
―金物加工技術はエコキュートの製造工程でどのように生かされているのでしょうか
(貯湯タンクの)缶体の製造に、燕三条の地で培われた溶接技術が生かされています。
当社は「突き合わせ内面溶接」という手法で、金属の断面と断面を合わせて内面から溶接しています。溶接時にシールドガスとしてアルゴンガスを用いることでさらに、溶接部分を酸化させることなく仕上げることができます。
この独自技術により、腐食しにくく抜群の耐久性を持った缶体ができあがります。

突き合わせ内面溶接(左)と重ね合わせ溶接(右)
―こうやって並べてみると全然違いますね
溶接技術は、地場産業、燕三条の包丁製造で培われた技術でなんです。
包丁の刃の部分は鋼でできていますが取っ手は鉄でできています。その鋼と鉄を組み合わせたときに、重ね合わせて溶接してしまうと格好悪いですよね。なので面と面を合わせて綺麗に仕上げる。そのため「突き合わせ溶接」という手法がこの地では非常に多い溶接方法になっているのです。
この技術はエコキュートだけでなく当社の石油給湯器でも同じ技術を使っていますので、タンクの耐久性に自信を持っています。

大手ハウスメーカーの新築物件にも技術力を評価され選ばれている
―コロナ製品が選ばれる理由は
エコキュート業界は2001年に始まり、業界全体で出荷台数が1000万台を突破しました。
その中でも当社は高いシェアを頂いています。世界初のパイオニアという先行者利益に加えて、大手ハウスメーカーさんに当社製品をスペックの高さで選んでいただくことが多く、新築物件に強いメーカーとしてシェアを伸ばしてきました。
他メーカーさんにも当社の技術力を買っていただき、タンクなど部品供給という立場で製造する機会が増えています。

他社製品にもコロナ製品が採用されている
―ハウスメーカーや同業他社からも高く評価されているのですね
これからはエコキュートの買い替え需要も増えており、リフォーム向けの販売台数が増えていくと思います。今日頂いたご意見も反映して、これからもより良い新商品を開発していきたいと考えております。