IHクッキングヒーター・IHコンロの選び方
電気で調理ができるIHコンロは、トッププレートが強化ガラスのため、美しくスタイリッシュな外観と、トッププレートを拭くだけできれいな状態がキープできるお手入れの簡単さが魅力です。加えて、火を使わずに電気で火力を制御するので安全性も高く、忙しいご家庭やお子様やご高齢のご家族がいるご家庭などからも高い注目を集めています。
価格についても、手が届きやすい価格帯からハイグレード商品までさまざまで、メーカーや機種毎にもいろいろな特徴があり、どの機種を選んでいいのか迷いがちです。
このページでは、IHクッキングヒーターを選ぶ際に、どのような点に着目して選ぶとよいかをまとめました。

IHクッキングヒーターの特徴


トッププレートに磁力線が埋め込んであり、鍋との電気抵抗を利用して発熱し調理します。そのため、調理に使う鍋やフライパンは磁石がくっつくステンレスや鉄、ホーロー鍋を使います。それ以外のアルミなど磁石のくつっつかない鍋は、ミドルグレード以上に装備されていることの多いオールメタル対応というバーナー(口)で使用できます。専用の対応鍋を使えば天ぷらなどの揚げ物も問題なく調理できます。
火をつかわず、電気で加熱するIHの売りは安全面。そもそも火をつかわないことで、ガスコンロの事故で多い、化繊など燃えやすい衣服を着ての袖口のもらい火による火傷の心配がいりません。
ほかにも、鍋がなければ点火しない、自動でのスイッチオフなど、安全面を考えるならIHクッキングヒーターがおすすめです。
IHの魅力は、ガスコンロと違ってごとくのないフラットなトッププレート。全面がガラスでできているので、汚れや傷に強く、掃除の際にごとくをはずす手間がないことで、お手入れにかかる面倒さが軽減。サッと拭き掃除するだけできれいになるので、お手入れのストレスが激減します。
IHクッキングヒーターのグリルといえば、以前は焼き魚がパサパサになる、下火がないので焼きムラができるなど、不満足な点も多くみられました。
進化したIHクッキングヒーターでは、グリル内に鍋を入れて煮ものを作ったり、IHならではの細かい温度調整ができたりと、電気オーブン並みに進化して、使い勝手が向上しています。
交換ポイント
新しいIHクッキングヒーターには、上記の特徴以外にも、メーカーやグレードによってさまざまな安全機能、便利機能が搭載されています。便利で安全なビルトインIHクッキングヒーターに交換できるかどうかは、現在のキッチンの状況にも左右されます。お住まいのキッチンの状況別に、ビルトインIHクッキングヒーターへの交換ができるかどうか、こちらでチェックいただけます。
※据置タイプ、卓上タイプの取り扱いはございません。
STEP1 : 交換可能であるかを確認
現在もIHクッキングヒーターが設置されている場合
IHヒーターの種類について
IHクッキングヒーターの設置タイプは大きく分けて「ビルトイン型」と「据置型」があります。主流はビルトイン型で、価格が抑えられたものから高機能なものまでバリエーションが豊富です。対して据置型はバリエーションはあまり多くありませんが、各メーカーから販売されている「据置枠」を利用することで、ビルトイン型を据置型としてお使いいただくことも可能です。

ビルトイン型 | 据置型 | ||
幅60cm・75cmタイプ | ワンルーム用 | ||
タイプ | ![]() |
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特徴 |
・200Vタイプのみ ・ほとんどが3口タイプ ・安全性に特化した2口もある ・最安商品は5万円以下 ・高機能モデルもラインナップ ・商品バリエーションが豊富 ・ビルトンコンロからの取替も可能 |
・1口か2口タイプのみ ・100Vと200Vタイプがある ・主にワンルームで採用されている ・商品バリエーションは少ない |
・2口のみ ・200Vタイプのみ ・流し台キッチンに設置できる ・商品バリエーションは少ない |
交換について |
・同じビルトイン型からの交換が可能 ・設置枠を使用して据置としても使える |
・同じ1口または2口タイプの交換が可能 ・据置設置は不可 |
・設置スペースに合わせた選定が必要 ・設置枠を利用してビルトイン型を据置型にして設置することも可能 |
電気オーブンの有無でのIH交換比較
ビルトインIHの下に、電気オーブンが設置されている場合、ビルトインIH交換⼯事と同時に電気オーブンをどうするかを検討する必要があります。“一緒に交換する場合”、“そのまま残す場合”で、ビルトインIH選びが異なります。また、ビルトインIH交換⼯事の際、同時に電気オーブンを取り外して収納庫にすることも可能です。

IHの下にオーブンあり | IHの下は収納庫 | ||
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オーブンも交換する | オーブンをそのまま残す | 収納庫に変える | もともと、ビルトインIHの下が収納庫になっている場合は、既存のビルトインIHのメーカーを気にすることなく、どのメーカーのビルトインIHにも交換が可能です。 ※詳しい設置可否はお⾒積りの際に行います。 |
ビルトインIH交換と一緒に電気オーブンの交換もする場合には、既存のメーカーを気にすることなく、お好きなメーカーの機種をお選びいただけます。 ただし、ビルトインIHと電気オーブンのメーカーは揃える必要があります。 |
既存の電気オーブンを残して、ビルトインIHのみを交換する場合には、新しく設置するビルトインIHのメーカーを、残すオーブンのメーカーに合わせる必要があります。 IHと電気オーブンは、別々のメーカーでの設置はできません。 |
電気オーブンを取り外し、収納庫を設置することも可能です。その場合は、新しく設置するビルトインIHのメーカーを気にすることなく、どのメーカーのビルトインコンロにも交換が可能です。 ※詳しい設置可否はお⾒積りの際に⾏います。 |
ビルトインIHに使用する電源の確認(100Vか200Vか)
現在もビルトインタイプのIHをご利用している場合は、200Vの電気配線がされているため準備する必要はありませんが、ビルトインガスコンロからの交換や、電気オーブンを新しく設置したいという場合は、200Vの電源配線が新たに必要となりますので、下の表にてご確認ください。

現在ビルトインIHが 設置されている |
現在はビルトイン ガスコンロである |
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ビルトインIHの 設置状況 |
収納庫
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電気オーブン あり ![]() |
電気オーブンを 新規設置 ![]() |
キッチン裏まで 配線あり ![]() |
キッチン裏まで 配線なし ![]() |
すでにビルトインIHが設置されている場合は、200Vの電源配線がされているので、配線工事は不要で取り替えできます。 | ビルトインIHと電気オーブンが設置されている場合はそれぞれに200Vの電源配線がされているので配線工事は不要で取り替えできます。(電気オーブンを残す場合はビルトインIHとの接続確認、撤去の場合は収納庫設置のお見積もりとなります) | ビルトインIHが設置されており、新たに電気オーブンを設置する場合は、電気オーブン用の200V電源配線が追加で必要です。 | 現在がビルトインガスコンロの場合は、キッチンの裏側まで200Vのコンセントがある場合は、新しく200Vの配線をすることなく、ビルトインIHに交換ができます。(先⾏配線されていれば、キッチンの点検口裏や分電盤などに表示があります。) | 現在ビルトインガスコンロでキッチンの裏に200Vのコンセントがない、分電盤にも表示がない場合は新規に200V電源の配線工事が必要です。 | |
200V新規配線 | 必要なし | 必要なし | 電気オーブン用に必要 | 必要なし | 必要あり |
【補足】ビルトインIHの電圧について 最近のビルトインIHの電圧は200V・30Aが主流です。ただ一部200V・20Aの機種があるため、既存の配線が200Vでも電圧が20Aの場合があります。その場合は、分電盤側で切替をするか、20Aの機器を選択することで交換が可能です。現在お使いのIHクッキングヒーターのメーカーと品番からも確認ができますので、詳しくはお見積もりにてご案内しています。
ビルトインIHにはどんなメーカーがあるの?
メーカーごとの特徴は?
※当社、2022年4月の販売実績より算出
STEP2 : 選び方を確認
交換するIHを選ぶポイント
IHを買い替える際にはいくつもの選び方のポイントがあります。まずIHについて、そして調理時のバーナー口数や火力の機能面、さらに料理の幅が広がるグリルの特徴と機能をたっぷりご紹介いたします。



そのため、鍋を置く天板スペースを広く取りたいご家庭や、3口全てを使っての調理が多いご家庭、⾃動炊飯機能でご飯を炊くことが多いご家庭などは、トッププレートの広い75cm幅のIHがオススメです。
(75cm→60cmへ交換)
- これまで設置していた天板の設置痕が露出してしまう。
- コンロバーナー間の距離が狭くなる。
(60cm→75cmへ交換)
- 調理用のスペースがIHを挟んで左右15cm狭くなる。
- 現在設置されているレンジフードの幅が60cmの場合には、消防法の規定でレンジフード幅以上のIHの設置ができないため幅変更が難しい。
そのため、色のバリエーションはあまり多くないですが、キッチンカウンターともなじみのよい、グレー系、ホワイト系、ブラック系の3色が各メーカーから多く販売されています。
定番人気のグレー系 | キッチンが明るくなるホワイト系 | 液晶が見やすいブラック系 |
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グレーやライトグレーのトッププレートは、どのメーカーからも発売されています。キッチンカウンターの色を選ばず、炒め物などの調理中にはねた油や汁物の汁、焦げ付き汚れが目立ちにくい、定番カラーです。 | ホワイトのトッププレートは、キッチンが明るくなる人気カラーです。油や汁物、焦げ付き汚れなどが見やすいので、トッププレートが汚れていたらすぐに目につき、ガラス天板をさっと拭きとることができるので、IHクッキングヒーターをいつもきれいにキープがしやすいカラーです。 | ブラック系の天板は、加熱中のトッププレートの赤い色のリングサインや、操作パネルの赤い液晶の文字が見やすいので、IHクッキングヒーターの調理状態が目で見て把握しやすい点がメリットです。加えて、油や汁物、焦げ付き汚れが目立たないことも利点のカラーです。 |
トッププレートカラー | |||
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グレー系 | ホワイト系 | ブラック系 | |
Panasonic | Aシリーズ Bシリーズ W1シリーズ G33シリーズ G32シリーズ(A・E) XJシリーズ |
Aシリーズ(A7タイプ) G32シリーズ(A) XJシリーズ G22シリーズ |
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三菱電機 | PT321Hシリーズ T321Hシリーズ REシリーズ T321Vシリーズ G321Vシリーズ G321Mシリーズ |
らく楽IH | G321Mシリーズ |
日立 |
M300Tシリーズ M200Tシリーズ M100Tシリーズ M9Tシリーズ |
M300Tシリーズ M200Tシリーズ M100Tシリーズ M9Tシリーズ |
M350Tシリーズ M150Tシリーズ M8ATシリーズ |



IHヒーター |
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IHクッキングヒーターで基本となるヒーターが「IHヒーター」で、鉄とステンレスの鍋が使用できます。基本となるヒーターなので、火力も最大で~約3.2kwと、ガスコンロの強火と同じ火力を出すことができます。
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オールメタル |
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IHヒーターに銅やホーロー、アルミといった鉄やステンレス以外の鍋も使えるように、トッププレート下のコイルに流れる電気の加熱周波数を強める工夫をしたヒーターがオールメタルです。今まで使っていた金属製の鍋をそのまま使える点がメリットです。(鍋底の形状やサイズなどによっては、一部使用できない鍋もございます)
銅やホーローの鍋で調理した場合、熱伝導率が落ちるため火力が最大で~約3kwと、IHヒーターと比較して多少落ちますが、一般家庭で料理するには支障のない火力が実現できています。 |
ラジエント |
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磁力ではなく、ヒーター部分を加熱することで鍋に熱を伝えるため、ヒーター部分が熱くなります。そのため、焼き網を使ったり、アルミ、ガラス、土鍋といった金属以外の鍋を使うことができます。ただし、火力が~約1.5kwと、ガスコンロの中火程度の火力になるため、大きな鍋や強い火力で調理したい料理には不向きです。そのため3口IHクッキングヒーターの3つめのヒーターとして、予備的に設定されていることが多いヒーターです。
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3口IH オールメタル×2、IH×1 |
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![]() 後ろの口はIHヒーターなので、鉄とステンレス鍋で使用します。機器の値段は高めのハイグレードタイプに多い組合せですが、手持ちの金属製の鍋が使えるので、鍋を買い替えが少なく済むメリットがあります。(鍋底の形状やサイズなどによっては、一部使用できない鍋もございます) |
3口IH オールメタル×1、IH×2 |
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3口IH IH×3 |
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3口IH IH×2、ラジエント×1 |
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![]() ※焼き網や機種により使用できない機種もあります。 |
2口IH IH×2 |
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ヒーターの性能と口数 | ||||
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3口IH | 右:オールメタル 左:オールメタル 後ろ:IH |
右:オールメタル 左:IH 後ろ:IH |
右:IH 左:IH 後ろ:IH |
右:IH 左:IH 後ろ:ラジエント |
Panasonic | AシリーズA7 | AシリーズA5 | AシリーズA3 Bシリーズ G33シリーズ |
WシリーズW1 G32シリーズ |
三菱電機 | PT321シリーズ T321Hシリーズ REシリーズ(RE-321SRのみ) T321Vシリーズ |
G321Vシリーズ G321Mシリーズ |
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日立 | M350Tシリーズ M300Tシリーズ |
M200Tシリーズ | M150Tシリーズ M100Tシリーズ M9Tシリーズ M8Tシリーズ M8ATシリーズ |
【補足】ビルトインIHの火力について ビルトインIHクッキングヒーターは、電源に200Vの電線を30Aの機器で使用するという制限があります。この上限を機器が超えてしまうと、機器が故障したり、ブレーカーが落ちたり、電線が傷んだりと事故の元になるので、IHヒーターを3つ組み合わせる場合でも後ろの口の出⼒を落とすなどして、機器としても電源の制限を超えないように設定されています。
腰をかがめずに操作ができるので、お年を召した方でも、安心安全に使うことができます。操作部分も、トッププレートと同じガラス素材の液晶になっているガラスタッチ式、手ごたえのあるスイッチになっているスイッチ式があるので、使用感の好みで選ぶことができます。
天面液晶表示のガラスタッチタイプ |
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![]() 天面液晶表示のガラスタッチタイプは、トッププレートに液晶が組み込まれており、トッププレート面がガラスのフルフラットになっているので、スタイリッシュな見た目と、拭き掃除の際にもひっかかるところがなく、サーっとお掃除できる点が魅力です。操作も、スマートフォンを操作するように、指でタッチするだけで操作ができます。ミドル~ハイグレードタイプに多い操作方法です。
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天面操作ボタンのスイッチタイプ |
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![]() 天面操作ボタンのタイプは、操作部分が押し込みのボタンになっています。多少凹凸があるので掃除の際のひっかかりがありますが、気になるほどではありません。ボタンになっていることで、操作した際に手ごたえがあるため、天面液晶だと操作できているのかどうか不安、操作の手ごたえが欲しいという方に向いています。スタンダード~ミドルタイプに多い操作方法です。 |
大きな円で光るタイプ |
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ハイグレードタイプに多い、加熱時にはヒーター部分が赤いリングで光るタイプ。大きな円で加熱しているかどうかが一目瞭然です。
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前面で半円で光るタイプ |
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加熱のサインとして前面が半円で光るか、あるいはトッププレートは光らず、操作スイッチ部分が光るタイプ。値段を抑えたミドル~スタンダード機種に多いタイプです。
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オーブン機能付きのタイプ |
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電気を使うIHクッキングヒーターのグリルは、ガスコンロのグリルと違い、グリルの温度設定ができます。ハイグレード機種になると、下は40度から、上は280度まで温度設定ができるので、電気オーブンのように使うことができます。低温じっくり仕上げたいローストビーフから、焦げ目をしっかりつけるスペアリブなど、さまざまな料理が楽しめます。 |
庫内に鍋をいれての料理も |
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加熱方法の進化と、ヒーターを庫内の上下に埋め込む工夫などで、グリル庫内が約7~10cmと高いのも特徴の一つ。かたまり肉など大きな食材の料理ができるほかに、専用の鍋を使って、パンやプリンなどの蒸し物、パエリアなども料理することができます。 ※メーカー、グレードによりグリル機能、庫内の広さが異なります。 |
グリル皿は水なしで調理ができ、 フラットな庫内は手入れがラク |
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以前は、グリル皿に水を入れてグリル内の過熱を防いでいましたが、技術の進化でグリル皿への水入れが不要に。食材からの脂が落ちたギトギトの湯を捨てて洗うということがなくなり、お手入れは各段に楽になっています。グリル皿もフッ素コートされているので、より汚れが付きにくく、洗いやすいつくりになっています。 |
フラットな庫内と少ない部品 |
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庫内の構造は、フロントパネル、スライドレール、グリル皿、焼き網の4種類。フロントパネルとグリル皿を外して洗い、ガスコンロのようにガスの吹き出し口がないフラットな庫内は、拭くだけできれいになるのでお掃除の手間がかかりません。庫内はホーロー加工されているタイプもあるので、熱や汚れにより強いタイプもあります。また、機種によってはスライドレールや焼き網のないタイプも。ますますお手入れが便利になっています。 ※メーカー、グレードにより庫内オプション、仕様が異なります。 |
STEP3 : 実際に商品を選んでみる
設置するIHクッキングヒーターを選ぶ
※当社、2022年4月の販売実績より算出