庭木の剪定時期はいつ?種類別の一覧表と剪定のコツ・やり方
2023/08/04
2023/08/04
庭木が伸びすぎてしまったら、お手入れのために剪定(せんてい)が必要です。剪定を怠ると、住まいの景観が悪くなるだけでなく、採光・通風の妨げになったり害虫が発生したりします。
庭木は適切な時期に適切な方法で、剪定をおこなうことが大切です。この記事では、庭木の適切な剪定時期や剪定方法について解説します。
目次
庭木の剪定時期は、庭木の種類によって異なります。
しかし基本的には、果樹がエネルギーを貯めている「冬」(10~2月)と生育が盛んな「夏」(4~6月)、2つの時期に剪定をおこないます。
冬季剪定は、春から夏にかけて、樹木が順調に成長できるように枝葉を整えておく作業です。余分な枝葉を落とすことで、木が成長に必要なエネルギーを蓄えられます。
冬季剪定の時期は樹木によって異なりますが、10〜2月におこなわれることが多い傾向にあります。
夏季剪定は、伸びすぎた枝葉をカットして、形を整えるのが大きな目的です。また、不要な枝を切り落とすことで、風通しや採光をより良くする目的もあります。
夏季と名がついていますが、剪定をおこなう時期は本格的に暑くなる4〜6月ごろが一般的です。
剪定を避けたほうが良い時期は、真夏です。真夏は庭木がもっとも成長する時期です。その時期に枝葉を切り落としてしまうと、庭木は切り落とされた分だけ成長をしようとして、養分をどんどん消費してしまいます。
その結果、庭木が枯れたり弱ったりすることも考えられます。
庭木の剪定時期は、樹木の種類によって異なります。下記の一覧表に沿って、詳しく解説します。
名称 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
常緑広葉樹 | ● | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ||||||
常緑針葉樹 | ● | ● | ○ | ○ | ||||||||
落葉広葉樹 | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ● |
●:基本剪定時期 ○:軽剪定時期
オリーブ、アオキ、ソヨゴなどの、常に緑を携えた木を常緑広葉樹と呼びます。葉の形は幅広で平べったい点が特徴です。
剪定は新芽が出てくる直前か、ある程度の数の新芽が顔を出した時期がおすすめです。
一方で、花の芽が見え隠れする時期に剪定をしてしまうと、花の咲きが悪くなります。夏の開花時に庭木が寂しい状態になるため、剪定は夏が始まる前に済ませたほうが安心です。
常緑針葉樹とは、松やスギ、モミの木などが該当します。針状の細長い葉や尖った葉は、常緑針葉樹に該当します。1年を通して葉を落とさず、常に豊かな緑を携えているのが特徴です。
常緑針葉樹は本格的に芽吹く前の春先に、基本剪定で枝葉を整えます。秋から冬にかけて軽い剪定をおこなうことで、枯れ枝が庭に落ちるのを防ぎます。
イロハモミジ、アオダモ、ジューンベリー、ハナミズキなどの庭木は落葉広葉樹に該当します。基本剪定は成長を止める冬におこなうのが一般的です。
枝ぶりを確認しながら、次の年に美しく成長できるように、形を整えつつ剪定を進めます。
専門の職人ではない方が剪定をおこなう際、大切なのは下記の2点です。
詳しい内容について、解説します。
忌み枝(いみえだ)とは、本来伸びる方向とは違う方向に伸びた枝のことを指します。
ほかの枝に絡まっていたり幹に向かって伸びていたりする枝が、忌み枝です。また、下に向かって伸びているものも、忌み枝になります。
忌み枝は木の成長を阻害する原因になるため、剪定が必要です。
枝を切り落とす際は、枝の太さに合わせて切り方を変えます。
基本的には枝に対して垂直にカットをしても問題ありませんが、硬い枝は少し斜めに切り込みを入れるのがおすすめです。枝に負荷がかからず、樹木が傷つくのを防げます。
また、太すぎる枝は何回かに分けて切断することも忘れたくないポイントです。枝同士が混み合っている箇所は、左右のバランスを見ながらカットを進めてください。
樹木の剪定方法はさまざまです。素人の方は、次の6つの剪定方法を知っておくと、DIYでの剪定がよりスムーズに進みます。
それぞれの剪定方法についてご紹介します。
透かし剪定とは、不要な枝葉を落として間引きする剪定方法のことを指します。樹木の形を整えたり、風通しや日当たりを良くするのが目的です。もっとも基本的な剪定方法といえます。
整姿剪定は、植物の外観や樹形を整えるための剪定方法です。
植物の成長に合わせて不要な枝や葉をカットして、美しい形状を保ちます。
切り戻し剪定は、樹木の成長を調整するための剪定方法です。枝の途中で木を大きく切断します。剪定の規模によっては、木が一回りほど小さくなることも珍しくありません。
枝を大きく切り落とすことで、樹木が栄養をたくさん作るようになるため、より強い枝葉の成長が期待できます。
刈り込みバサミを使用して、庭木や茂みを短く切り揃えるのが、刈り込み剪定と呼ばれる方法です。背が低く、規模が小さい植栽に用いることが多いといえます。
切り詰め剪定は新しい成長を促進し、樹形を整えるために、木の枝を適切な位置で切り詰める剪定方法です。
枝の先端をカットすることで、植物のエネルギーがより重要な部分に集中します。
花がら摘みは、花の枯れた部分(花がら)を摘み取ることで、植物のエネルギーを新しい花芽や成長に向ける剪定方法です。刃物を使わないケースもあります。
花がら摘みをすることで、花を長期間楽しめるようになります。
庭木の剪定には、専用のハサミや脚立などの道具が必要です。
ここからは庭木の剪定で使われることが多い、基本的な道具についてご紹介します。
剪定バサミは家庭用バサミより刃が短く、厚みがあるため、硬い枝を切るのに適しています。
女性や握力に自信がない方は、グリップ部分がバネになっているタイプがおすすめです。
剪定バサミでカットできない太い枝は、剪定ノコギリを用いてカットをします。
剪定ノコギリはさまざまな種類がありますが、使用頻度が低い場合は、折り畳み式が収納の際に便利です。また、切りたい枝の太さや位置に合わせて、剪定ノコギリを選ぶことも大切です。
葉を剪定して樹木の形を整えるのに便利です。刃が長い物ほど、大きな生垣の剪定がしやすくなりますが、重量が増すのがデメリットです。力に自信がない方や女性は、コンパクトサイズを選んだほうが安心です。
植木バサミは、細い枝を切る際に活用します。
剪定バサミでは扱いづらい細かい葉枝は、植木バサミで落としてください。手に握りやすいサイズ感であることが大切です。
高い位置にある枝を落とすのに便利なのが、高枝切りバサミです。木の高さによって、商品を選んでください。また、高枝切りバサミは、重さも重視したいポイントです。重すぎると使用する際に足元がふらついてしまいます。
体の大きさにもよりますが、日本人の平均的な体型の男性であれば、2kg以内の製品を選ぶのがおすすめです。女性の場合は、1kgを目安に製品選びをしてみてください。
庭木の剪定には、下記の道具もあると便利です。
剪定をする庭木のサイズ・規模にもよりますが、必要であれば準備をおすすめします。
庭木の剪定は、日当制と単価制のどちらかで請求されることが多いようです。
日当制の場合「作業員1人につき〇〇円/日」といった風に、請求されます。費用相場としては、1人につき1.5〜3万円/日ほどです。
単価制の場合は「庭木1本あたり〇〇円」といった風に、カットする木の量に応じて合計金額が上下します。5m未満の低木・中木の場合は1本あたり1〜1.5万円ほどで済むことが多い傾向にあります。生垣や植え込みの選定を依頼した場合、5㎡以内で1〜1.5万円が費用相場です。
庭木を剪定することで、住まいの外観がより美しくなります。また、家の中の採光や風通しの有無を、庭木が左右することも少なくありません。
庭木の正しい剪定時期を見極めて、適切な成長を促していきたいですね。
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