「IHの火力が弱くなってきた…」「スイッチの反応が悪い気がする」

そんな小さな不具合を感じている場合は、IHクッキングヒーター(ビルトインタイプ)の寿命が近いているのかもしれません。
この記事では、ビルトインIHの寿命や交換費用の目安、選び方のコツ、長持ちさせるための使い方まで丁寧に解説していきます。
キッチン設備の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ビルトインIHクッキングヒーターの寿命は10年前後

ビルトインタイプのIHクッキングヒーターは、一般的に10年前後が寿命とされています。ただし使い方や設置環境によっても異なり、早ければ8年、長ければ15年ほど使えることもあります。
とはいえ、ある日突然まったく動かなくなるケースもあるため、不具合の兆候に気づいたら早めに対処しておいたほうが安心です。

寿命が近いサイン・症状

以下のような症状が見られる場合は、IHクッキングヒーターが寿命を迎えている可能性があります。

  • ・電源スイッチが入らない
  • ・「ブーン」というモーター音が大きい
  • ・ボタンが反応しない
  • ・温まりにくい
  • ・天板のガラスが破損

いずれも放置すると、用中に突然停止したり、火力が不安定になる恐れがあるため注意が必要です。

寿命ではなく修理でOKなケース

すべての不具合がすぐに買い替えにつながるわけではありません。たとえば、購入から3〜5年程度で起こる軽微な故障や、パーツの一部に原因がある場合には、メーカーや業者による修理で十分対応できるケースもあります。

保証期間内であれば無償修理が可能な場合もあるため、まずは取扱説明書や保証書を確認して、メーカーに問い合わせてみてください。

レンジフード

寿命を迎えたIHクッキングヒーター(ビルトイン)の交換費用の目安

IHクッキングヒーターが寿命を迎えた場合、交換にかかる費用はおおよそ8万円〜23万円が目安です。この金額には本体代のほかに「設置工事費等」が含まれていますが、工事費自体はどの製品を選んでも、それほど大きな差はありません。

価格を左右するのは本体の性能や機能面といったグレード差です。たとえば火力調整が細かくできるタイプや、グリル機能が充実した機種は高くなります。

また、IHの寿命が近い場合は、付属のレンジフードやビルトインオーブンも同様に交換時期を迎えている可能性があります。個別に工事をするとその都度人件費が発生するため、いずれはレンジフード・ビルトインも交換を考えている方は、一括でまとめて依頼したほうがお得です。

また、オーブンをあまり使っていない場合は、撤去して収納スペースに変えるのもひとつの手です。ビルトイン収納にすれば、キッチンの見た目もすっきりして使いやすさがアップします。

新しいビルトインIHクッキングヒーターを選ぶ際のポイント

IHクッキングヒーターを交換する際は、サイズや設置方法が合うことはもちろん、ライフスタイルに合った機能を選ぶことも大切です。ここでは、選ぶときにチェックしておきたいポイントをご紹介します。

タイプ

ビルトインIHには、「2口」「3口」などの火口数や、グリル付き・なしなどの違いがあります。これまでと同じタイプを選べば工事もスムーズですが、調理スタイルに合わせて変更することも可能です。

サイズ

ビルトインIHクッキングヒーターの基本的な幅は60cmが主流ですが75cmのワイドタイプもあります。
広く使いたい場合は、75cmのワイドタイプを選ぶのがおすすめです。一方で工事費用を抑えたい場合は、現在の開口寸法に合うものを選んだほうが無難です。

機能

自動火加減調整やタイマー、揚げ物温度調整などの便利機能もチェックポイントです。また、グリル部分にスチーム機能が付いたものなど、メーカーごとの特徴も比較して選ぶことが大切です。

お手入れのしやすさ

フラットな天板は拭き掃除がしやすく、日々の手入れも簡単です。グリル内部が取り外せる構造や、油の飛び散りを防ぐカバー付きのものなど、掃除のしやすさにも注目して選ぶと後々ラクになります。

保証内容

IHビルトインクッキングヒーターは高額な設備です。だからこそ、メーカー保証や延長保証の内容もしっかり確認しておく必要があります。長期保証の年数や工事保証の有無なども確認しておいてください。

ビルトインIHクッキングヒーターを長持ちさせるコツ

ビルトインIHクッキングヒーターは、ていねいに使うことで寿命を延ばすことができます。故障を防ぎ快適に使い続けるために、日頃から意識したいポイントをご紹介します。

使用後はこまめに掃除して清潔を保つ

IHクッキングヒーターの天板に汚れが残ったままだと、加熱効率が下がったり異音の原因になることもあります。
使用後はできるだけ早く、柔らかい布で拭き掃除をするようにしましょう。こびりつく前に対処することが大切です。

鍋底の形状やサイズに注意する

IHは鍋の底と本体の間にすき間があるとうまく加熱できません。底が平らで、適切なサイズの鍋を使うことが大切です。
IHに対応していない器具を使用することは、加熱ムラだけでなく故障の原因にもなるため、対応機器の確認は必須です。

グリルやファンの定期的なお手入れも忘れずに

グリル部分や内部のファンに油汚れがたまると、加熱不良や異臭、火災のリスクにもつながります。とくにグリルをよく使う家庭では、定期的な掃除を行ったほうが安心です。

エラー表示や異音を放置しない

「いつもと音が違う」「エラー表示が出た」など、異常を感じたら早めに対処してください。初期の不具合のうちに修理や点検を行うことで、故障の拡大を防げます。

ブレーカーや配線周りも定期的にチェック

IHは電力を多く使う設備のため、分電盤や専用回路が劣化していないかも重要です。使用時に異常な熱や焦げ臭さを感じた場合は、電気の専門会社などに相談してください。

まとめ|ビルトインIHクッキングヒーターに寿命のサインが現れたら早めに交換を!

IHクッキングヒーター(ビルトインタイプ)の寿命はおおむね10年が目安です。電源が入らない、加熱に時間がかかるなどの症状が現れたら、交換のタイミングかもしれません。

費用相場は8万〜23万円ほどと高額な設備ですが、使い方次第で寿命を延ばすことも可能です。新しい機種の選び方や掃除のポイントも意識してみてください。
交換時には、レンジフードやオーブンの同時見直しも視野に入れることで、費用や手間を抑えやすくなります。
ビルトインタイプのIHクッキングヒーターの故障に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にして快適なキッチン環境を実現してください。

給湯器