ナフサショックが与える住宅設備業界への影響は?リフォームや交換は急ぐべき?
住宅設備
2026/08/06
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住宅設備
2026/08/06
※※本記事は2026年8月5日時点の情報をもとに更新しています。中東情勢やメーカーの供給・価格対応は変わる可能性があるため、実際の納期と販売価格は施工業者にご確認ください。
2026年8月現在、春に広がった住宅設備の供給混乱は、概ね落ち着いています。TOTOは6月9日からシステムバス・ユニットバスの通常受注と標準納期での対応を再開し、ハウステックも同日から標準納期での対応へ戻りました。
一方、現在の焦点は「いつ買えるか」から「いくらで買えるか」へ移っています。
8月以降、ノーリツ・LIXIL・リンナイ・パロマをはじめとする住宅設備メーカー各社が、給湯器・浴室暖房乾燥機・トイレ・浴室・水栓などの希望小売価格を改定しています。
価格上昇の理由はナフサだけではありません。銅をはじめとする原材料価格、エネルギー価格、物流費、為替など、複数のコスト上昇が重なっています。
「もう通常どおり注文できるのか」「これから買うと高くなるのか」「交換を急いだほうがよいのか」と気になっている方に向けて、住宅設備の供給状況とメーカー別の価格改定をまとめました。

目次
| メーカー | 記事の対象商材 | 主な改定内容 | 適用時期 |
|---|---|---|---|
| パナソニック | ビルトイン食洗機 | プルオープンRタイプを約2%改定 | 2026年3月1日から実施済み |
| パナソニック | 天井埋め込み型などの住宅設備用エアコン | 対象機種・部材を5〜40%改定 | 2026年4月1日から実施済み |
| 高須産業 | 浴室暖房乾燥機など | 全商品を平均8〜15%程度改定 | 2026年8月1日出荷分から |
| ノーリツ | 給湯器・エコジョーズ | ガス給湯機器などを約5〜18%改定 | 2026年8月3日受注分から |
| ノーリツ | 温水式浴室暖房乾燥機 | 約11〜30%改定 | 2026年8月3日受注分から |
| LIXIL | トイレ・シャワートイレ・便座 | 商品群により平均9〜16%程度改定 | 2026年8月3日受注分から |
| リンナイ | 給湯器・エコジョーズ | 給湯機器を2〜12%、平均6.8%改定 | 2026年9月1日から |
| パロマ | 給湯器・エコジョーズ | ガス給湯器などを約4〜15%改定 | 2026年9月1日受注分から |
| パーパス | 給湯器・エコジョーズ | 給湯単能機を約5〜16%、ふろ給湯器を約4〜15%、給湯暖房用熱源機を約5〜13%改定 | 2026年10月1日受注分から |
| TOTO | トイレ・ウォシュレット | 衛生陶器13%、システムトイレ9%、ウォシュレット10%を平均改定率として公表 | 2026年12月1日受注分から |
| 三菱電機 | 浴室暖房乾燥機 | 一部商品で新価格への改定を予定。改定率は未公表 | 2027年1月1日から予定 |
表に記載しているのは、メーカー希望小売価格の改定です。実際の販売価格や工事費込み総額へ反映される時期・幅は、販売店や施工業者、在庫状況によって異なります。
見積りを取得済みでも、メーカーへの正式発注が改定日以降になると再見積りとなる場合があります。見積りの有効期限と、メーカーへの発注予定日を確認してください。
| 設備 | 状況 |
|---|---|
| トイレ・ウォシュレット | 〇 受注停止の公式発表なし(要継続確認) |
| 給湯器・エコジョーズ | 〇 受注停止の公式発表なし(価格上昇傾向は継続) |
| ビルトインガスコンロ | 〇 受注停止の公式発表なし |
| IHクッキングヒーター | 〇 受注停止の公式発表なし |
| レンジフード | 〇 受注停止の公式発表なし |
| ビルトイン食洗機 | 〇 受注停止の公式発表なし |
| 浴室暖房乾燥機 | 〇 受注停止の公式発表なし |
| 壁掛エアコン・天井埋め込み型エアコン | 〇 受注停止の公式発表なし |
参考:一部メーカー希望小売価格改定のお知らせ|交換できるくん
2026年8月時点で、トイレ・ウォシュレットに大規模な受注停止は確認されておらず、供給面では通常どおり検討しやすい状況です。
ただしLIXILは8月3日受注分から、便器・シャワートイレ・便座などの希望小売価格を平均約9〜16%改定しました。
※シリーズによって改定率が異なります。
既に何かしらの不具合が生じていたり、設置から10年以上経過しているトイレをお使いの場合には、故障前の早めの予防交換を検討することをおすすめします。
給湯器・エコジョーズは、現時点で大規模な受注停止や供給混乱は確認されていません。現在の注意点は、納期よりもメーカーの価格改定です。
ノーリツは8月3日受注分からガス給湯機器などを約5〜18%、リンナイは9月1日から給湯機器を2〜12%、パロマは9月1日受注分から多くの給湯器をおおむね4〜15%改定します。
改定理由には、銅などの原材料価格、エネルギー価格、物流費、為替の影響が含まれており、すべてがナフサショックによるものではありません。
給湯器は故障するとお湯が使えなくなります。10年以上使用している場合や、温度が安定しない・異音がする・点火しにくいなどの不調がある場合は、メーカーごとの価格と工事可能日を早めに比べておくと安心です。
リンナイ・パロマ・ノーリツ製のビルトインガスコンロは、外装樹脂部品の製造コスト上昇が価格に転嫁されていく可能性があります。
現時点でナフサショックを直接の理由とした受注停止・大幅な納期未定の公式発表はありませんが、化学メーカーのエチレン減産が長引けば、補修部品の供給も含めた影響が波及する可能性はあります。
ビルトインガスコンロの交換を予定している方は、見積りを早めに取得しておくと、価格が上がる前に動きやすくなります。
参考:これで失敗しない!ガスコンロ交換業者の選び方|交換できるくん
IHクッキングヒーターは、本体の樹脂パーツや電子基板の封止材にナフサ由来の素材が使われています。パナソニックは2026年1月受注分から一部配線機器・配管機材の価格改定を実施しており、IH製品全体へのコスト上昇圧力は続いています。
現時点では大きな受注停止などは確認されていませんが、価格や納期への影響は続いており、状況は流動的です。IHクッキングヒーターへの交換を考えている方は、コスト上昇が続く前に一度見積りを取っておくと、予算の見通しが立てやすくなります。
リンナイ・パロマ・ノーリツ・パナソニック製のレンジフードは、フード本体の外装材やダクト部品に樹脂素材が使われています。
現時点でメーカーからの受注停止・大幅な納期遅延の公式発表は確認されていませんが、建材・住設分野全体でのナフサ供給のひっ迫の影響は広がっており、状況は流動的です。
レンジフードの交換をご検討中の方は、ビルトインガスコンロとの同時交換も視野に入れながら、早めに動いておくと安心です。
参考:これで失敗しない!レンジフード交換業者の選び方|交換できるくん
パナソニック・リンナイ・三菱電機製のビルトイン食洗機は、本体外装・内部ラック・ポンプカバーなどに樹脂部品を多く使用しています。
現時点でナフサショックを理由とした受注停止・大幅な納期遅延の公式発表は確認されていません。ビルトイン食洗機の交換を考えている方は、現時点では通常通りの検討を進められる状況です。
浴室暖房乾燥機は、供給面では大規模な受注停止は確認されていません。
一方、ノーリツは温水式浴室暖房乾燥機などを、8月3日受注分から約11〜30%改定しました。今回確認した住宅設備の中でも、改定幅が比較的大きい商材です。
ダイキン・パナソニック・三菱電機・日立製のエアコンは、室内機・室外機ともに樹脂部品の割合が高い製品ですが、ナフサショックを理由とした大規模な受注停止は確認されていません。
まだ問題なく使えているエアコンを値上げだけで急いで交換する必要はありませんが、2027年度から家庭用エアコンの省エネ基準が強化される「エアコン2027年問題」の影響で、低価格帯モデルの在庫は以前よりも減少傾向にあります。
壁掛エアコンや天井埋め込み型エアコンの交換を考えている方は、ナフサショックと2027年問題の両面で、現在は価格・在庫が動きやすい時期にあることを念頭に置いてください。


ナフサ(粗製ガソリン)は、原油を精製するときに得られる石油化学製品の基礎原料です。エチレンやプロピレンなどを経て、プラスチック、合成樹脂、塗料、接着剤、合成繊維などへ加工されます。
2026年春は、ホルムズ海峡の通航制約によってナフサや関連原料の調達が不安定になり、一部メーカーがユニットバスの受注停止や納期回答停止に踏み切りました。
その後、日本では代替調達や在庫の活用が進み、住宅設備の供給は概ね回復しています。
ただし、代替ルートの確保には輸送費や調達コストがかかります。現在は「原料が届かず製品を作れない」という問題よりも、原材料・エネルギー・物流費の上昇が製品価格へ反映される局面に移っています。

「給湯器やトイレって、金属や陶器でできているのでは?」と思われるかもしれませんが、現代の住宅設備にはナフサ由来の素材が想像以上にたくさん使われています。
給湯器本体には、外装カバーや配管の継手、コントローラーのケースなどに、ポリプロピレン・ABS樹脂といった樹脂部品が多数含まれています。天井埋め込み型エアコンや壁掛エアコンの室内機・室外機も、同じように樹脂部品への依存度が高い製品です。
ビルトイン食洗機やレンジフードも、本体外装・フィルター・ダクト部材に石油化学由来の素材が使われています。ビルトインガスコンロやIHクッキングヒーターにも、本体の樹脂パーツや電子基板の封止材にナフサ由来の素材が含まれます。
TOTOのユニットバスが最初に受注停止になった理由は、壁・天井パネルのフィルム接着剤と、浴槽コーティング剤に含まれる有機溶剤が直接ナフサを原料としているからです。
陶器製の便器本体への即時的な影響は相対的に小さいものの、トイレユニット(内装含む)全体での受注停止を余儀なくされています。

中東情勢は、落ち着いたとは言えません。6月の合意後にホルムズ海峡の通航量は一度持ち直したものの、7月には船舶への攻撃や米国・イラン間の衝突再燃を受けて再び減少しました。
8月5日時点でも通航隻数は平時を大きく下回っており、物流リスクは残っています。
一方、日本向けの原油は米国などからの代替調達が進み、政府は必要量を確保できる見通しを示しています。中東情勢は不安定でも、国内の住宅設備が直ちに春と同じ全面的な供給停止へ戻る可能性は、当時より低くなっています。
ただし、代替調達や迂回輸送には追加コストがかかります。供給が戻ったからといって、価格まで混乱前の水準へ戻るとは限りません。今後は、供給停止よりも価格改定と販売価格への反映を確認する局面です。

2026年春は、断熱材・塗料・接着剤・配管材などでも値上げや供給調整が相次ぎました。
現在は住宅設備本体の入手難が概ね落ち着く一方、原材料・エネルギー・物流費の上昇は、周辺資材や工事費へ残りやすい状況です。
浴室やキッチンのリフォームでは、本体を確保できても、下地材や接着剤などの価格によって見積り総額が変わる場合があります。商品価格だけでなく、施工に必要な部材と追加工事を含む総額で確認してください。
2026年4〜5月には、ユニットバスなどを設置できず、新築住宅の完了検査や引き渡しへの影響が懸念されました。
国土交通省は、ナフサ供給の混乱で一部設備が未設置となった場合や、資材を同等性能のものへ変更する場合について、確認検査機関へ柔軟な運用を求めました。
現在は主要メーカーの供給が改善しており、当時ほどの影響は見られません。この対応は、供給混乱が大きかった時期に取られた措置として押さえておけば十分です。


供給面では、今すぐ注文しないと商品が手に入らない状況ではなくなりました。値上げが相次いでいるからといって、問題なく使えている設備を急いで交換する必要もありません。
ただし、すでに設備の不調や故障が起きている場合は話が変わります。住宅設備は、一般的に使用開始から10年を過ぎるとメーカーの部品供給期限に近づき、修理対応が難しくなります。
判断の基準にしたいのは、設備の使用年数と不調の有無です。10年以上使用している、温度が安定しない、異音・漏水・点火不良などがある場合は、価格改定の時期も含めて早めに見積りを取る意味があります。
給湯器やコンロ、エアコンなどは、現時点で一律に「今すぐ交換しないと危ない」と危惧するような状況ではありません。
しかし、「今すぐじゃないけど、近々必要そうだな」というような場合は、様子見にして先送りするより、早めに見積もりを取っておくほうが安全です。


メーカー直営サービスは安心感は最大ですが、費用が高くなりやすく、古い機種からの交換提案に柔軟性を欠く場合があります。
家電量販店・ホームセンターはポイント還元や来店時に相談できる気軽さがあります。ただし施工は下請け業者が担うため、窓口と現場で説明が食い違うリスクや、責任の所在が曖昧になるケースも報告されています。
地元工務店は地域密着の安心感があり、家全体の相談ができる点が強みです。住宅設備の交換に特化した業者と比べると、工事費や最新製品の知識に差が出る場合もあります。
ネット施工業者は、中間コストを省いた価格設定と、写真送付などによるスピーディな見積り対応が強みです。顔が見えない点が気になる方は、以下のポイントで見極めてみてください。
累積施工件数が多く、実績が具体的に公開されている業者は信頼の目安になります。件数だけでなく、どんな商材・工事内容の実績があるかも確認しておくと安心です。
見積り段階で工事費・本体代・廃材処分費などがきちんと示されているかを確認します。「当日に追加費用が発生した」というトラブルを防ぐために、見積りに含まれる工事の範囲は事前にしっかり確認しておきます。
Googleマップのクチコミに加え、クチコミサイトで評判を確認することをおすすめします。1つのサイトだけではなく、複数のサイトの情報をもとに偏りなくチェックすることが重要です。
工事後にトラブルが生じた際の対応窓口が明確か、保証期間と保証内容(本体・工事の両方)を確認します。「自社施工・自社保証」を明示している業者は責任の所在がはっきりしており、安心感があります。
運営会社の所在地・代表者・事業年数・資格保有状況が公式サイトに明示されているかを確認します。問い合わせ窓口が整っており、見積り内容の疑問に対してわかりやすく答えてもらえるかも、判断材料のひとつです。

2026年春に広がったナフサ供給の混乱は、住宅設備の供給面では概ね落ち着きました。TOTOやハウステックは6月9日から標準納期での対応を再開し、LIXILでも多くの水回り商品が標準的な納期へ戻っています。
一方、現在の焦点は価格です。8〜9月には、給湯器・浴室暖房乾燥機・トイレ・浴室・水栓などで、メーカー希望小売価格の改定が相次いでいます。
ただし、値上げの要因はナフサだけではありません。銅などの原材料、エネルギー、物流費、為替など複数のコストが影響しています。
中東情勢とホルムズ海峡の物流は引き続き不安定ですが、日本国内では代替調達が進んでいます。
交換を検討するときは、「商品がなくなる前に急ぐ」のではなく、使用年数や不調の有無を基準に、最新価格・納期・工事費込み総額を確認することが大切です。





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