
後悔しないために!フロントオープンの食洗機を選ぶ際に注意すべきポイント
2025/05/08
2025/05/08
食器洗いは特に時間がかかる家事のひとつ。そんな煩わしさを解消してくれる頼もしい存在が食洗機です。なかでも近年注目を集めているのが、大容量でスタイリッシュな「フロントオープン型」のビルトイン食洗機です。
一度にたくさんの食器を洗える、内部を見渡せるといったメリットがあるものの、選ぶ際にはいくつか注意したい点があります。本記事では、フロントオープンタイプの食洗機のメリット・デメリット、選び方などについて解説します。
目次
ビルトイン型食洗機とは、システムキッチンの一部としてキッチン設備に組み込まれている食洗機です。食洗機には「ビルトイン型食洗機」と「卓上型食洗機」の2種類があります。卓上型食洗機は複雑な取り付け工事が不要で、キッチン全体をリフォームしなくてもすぐに設置が可能です。
一方で、ビルトイン型食洗機はシンク下などにすっきりと収まるから見た目も美しく、キッチン全体の統一感が高まります。ちなみに、ビルトイン型食洗機はシステムキッチンの取付と合わせて工事することが一般的であるため、後付けする場合は改修工事が必要になります。
ビルトイン型食洗機は、扉の開け方によって大きく2つに分けることができます。
食洗機の前面にある扉を手前に倒して開ける食洗機を指します。扉の上部に取っ手が付いており、90度手前に倒すようにして開けます。中には引き出し式のカゴが2段あるのが一般的で、カゴを手前に引き出して食器の出し入れを行います。カゴの奥まで手が届きやすいため、大皿や鍋など大きな食器も洗いやすいのが特徴。一方で、手前に扉が倒れる構造になっているため、扉の前に一定のスペースを要します。
引き出しのように手前にスライドさせて開閉する食洗機のことをいいます。食器類を収納するカゴが浅めのミドルタイプ(浅型)と、深めのディープタイプ(深型)があります。フロントオープンタイプと比べるとコンパクトな製品が多く、少人数世帯や省スペースのキッチンにもなじみやすいことから、非常に人気があります。
項目 | フロントオープンタイプ | スライドオープンタイプ (ミドル・ディープ) |
---|---|---|
主な対応メーカー | ミーレ、ボッシュ、AEG など(海外)リンナイ(国内) | パナソニック、リンナイ、三菱 など(国内) |
価格帯(本体のみ目安) | 約20〜40万円以上 | 約10〜20万円前後 |
容量 | 非常に大きい(上下2段式) | ミドル:小〜中程度 ディープ:中〜大程度 |
開閉方式 | 扉を手前に倒す「下開き」 | 引き出し式「スライド開閉」 |
設置に必要なスペース | 前方に広い開閉スペースが必要 | 比較的コンパクト |
国内流通性・在庫 | 少なめ(受注・取寄せ多め) | 豊富、家電量販店やネットでも購入可能 |
設置の自由度 | 高度な施工技術が必要な場合あり | 多くの住宅・キッチンに対応 |
静音性・乾燥性能 | モデルにより高機能 | 国内機種も静音性や乾燥に優れるモデルあり |
向いている人 | 大家族・食器を一度にまとめ洗いしたい人 | 少人数家庭、コンパクトキッチンの方 |
フロントオープンタイプ食洗機のメリットは、主に以下の2つが挙げられます。
フロントオープンタイプの食洗機のメリットの1つが大容量であること。
手前に扉が開くため、庫内を広く確保できて多くの食器類を収納できます。一番下に深めのカゴを設置していることが多く、大きい皿や深さのあるボウル類、鍋やフライパンなどのまとめ洗いが可能になります。
どのように食器が配置されているかを確認しやすく、無駄なく効率的に洗うことが可能です。
洗浄した食器を取り出す際にも、下段と上段に分かれているのから手を伸ばすことなく手軽に取り出せます。また、洗浄後に汚れが残っていた場合も視認しやすく、すぐに再洗いができる点も利便性のひとつです。
フロントオープンタイプの食洗機は、大容量でかつ洗い残しなどを確認できるメリットがあるものの、いくつかデメリットもあります。
フロントオープンタイプの食洗機は前面を開けて食器を取り出すため、扉がしっかりと開くためのスペースが必要となります。スペースが足りないと、扉が完全に開き切らずに食器の出し入れが不便になります。
フロントオープンタイプは、ミーレやボッシュなどの海外メーカー製が多く、20万円台〜30万円台の価格帯が主流です。
一般的な国内メーカーのスライドオープンタイプ(10万円台〜)と比べると、導入コストは高めです。
フロントオープンタイプの食洗機は、食器を収納するためのラックが下に配置されていることが一般的で、体をかがめる動作が多くなりがちです。そのため、特に食器の量が多い、重い食器がある場合には、膝や腰など体に負担をかける恐れがあります。
まず、向いているのはキッチンが広い人です。扉が前方に開くため、その分のスペースが必要になるからです。狭いキッチンでは、扉を開けるスペースが不足し、使いづらくなる可能性があります。
次に高頻度で大容量の食器を使用する人です。調理後の後片付けを短時間で終えたい家庭や、まとめ洗いをするスタイルの人にとって非常に便利。
次に向いていない人は、腰や膝に不調がある方。扉が下方向に開くため、食器を取り出す際にかがんだり、腰を曲げたりしなければいけないことが多くなります。
また、低予算で購入したい方にもおすすめできません。フロントオープンタイプの食洗機は、スライドオープン型やタンク式に比べて比較的高価なものが多いです。価格を抑えたい人や予算を重視している場合には不向きといえます。
最後に、フロントオープンタイプの食洗機を選ぶ際に確認しておきたいポイントを解説します。
前面のドアを手前に大きく開けて使用するタイプであるため、食洗機本体の奥行きだけでなく、ドアを開けるための前方スペースも考慮してください。特にキッチンが狭い、食洗機の前に引き出しやゴミ箱があるな場合は、開閉の妨げにならないようレイアウトの見直しが必要となります。
また、フロントオープンタイプはかがんで食器を出し入れする必要があるため、設置する高さもチェックするようにしてください。最近は「腰高設置」に対応したモデルもあります。
毎日それほど多くの食器を使わない家庭では、水や電気の使用がもったいなく感じる場合もあります。容量が大きすぎてかえって非効率になることも考えられるため、自分たちのライフスタイルに本当に合っているかを見極めることをおすすめします。
ヒーターで温めた風を出して乾かす「ヒーター乾燥」や、余熱を送風で乾かす「余熱乾燥」といった機能を備えた食洗機も販売されています。ヒーター乾燥は食器類を十分に乾かすことができるものの電気代が高くなりやすい難点も。余熱乾燥だと電気代は抑えられますが、細部まで乾かしきれないこともあるようです。食器の材質や設置環境によっては乾燥が不十分に感じることもあるため、乾燥性能を重視したい場合は、国内メーカーや乾燥方式の違いを比較検討してみてください。
フロントオープンタイプの食洗機は洗浄力が高い分、モーターが強力で運転音が大きくなる傾向にあります。夜間の使用が多いご家庭や、キッチンとリビングが一体化している場合には、静音設計のモデルを選ぶことをおすすめします。
フロントオープンタイプの食洗機は、その収納力や見た目のスマートさから非常に人気が高いですが、設置スペースや使い勝手、ライフスタイルとの相性を十分に見極めることが重要です。導入前に情報を入念に収集し、自宅のキッチンに合った製品を選ぶことで、毎日の家事がぐっと快適になります。
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