「トイレの臭いが気になっている」「臭いを一瞬で消す方法を知りたい」といった悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。

トイレの臭いにはいくつかの種類があり、原因と対処はそれぞれ異なります。まずは臭いの種類と発生要因を整理し、家庭で実践できる範囲から順に対策することが大切です。

この記事では、トイレの臭いが発生する主な原因とその対処法、臭いを一瞬で消す方法を解説します。トイレの臭いに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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トイレの臭いの主な原因

トイレの主な臭いの種類と、その原因およびそれらに対する対処の方向性を以下の表にまとめました。

臭いの種類主な原因対処の方向性
アンモニア臭尿ハネ・床や壁の染みつき酸性洗剤で中和
カビ臭湿気・換気不足換気+除菌
下水臭排水トラップの不具合パッキン・封水チェック
排泄臭汚れの残留・便座裏拭き取り+消臭剤活用

ここでは、これらの概要について解説します。トイレの臭いといってもその種類や原因はさまざまであるため、違いを理解したうえで、それぞれに合った対処法を実施してください。

アンモニア臭

新鮮な尿は主に尿素を含み、放置されると分解が進んでアンモニア(アルカリ性)が発生し、強い臭いになります。

具体的には、用を足したときに尿が便器の裏に飛び散り、そのまま掃除をせず放置してしまった場合です。

また、尿ハネによって床や壁などにもアンモニア臭がすることもあります。
特に男性は立って用を足すケースもあるため、アンモニア臭が便器以外からする可能性もあると覚えておいてください。

アンモニア臭は、用を足してから臭いが発生するまでタイムラグがあるため、トイレを使用した後は、汚れを拭き取ることで臭いの発生を防ぐことができます。

また、便器の裏に飛び散った尿が黄ばみになっている場合や、床や壁にシミができている場合は、酸性洗剤を使って拭き取るようにしてください。

アンモニアはアルカリ性のため、酸性洗剤で中和・除去しやすくなります。塗布後は素材に応じて所定時間おいたのち、水拭き→乾拭きまで行い、金属部は腐食防止のため必ず水分を残さないようにします。

カビ臭

便器のふちの裏やタンクの中、便器と床の接合部分などにカビが発生していると臭うこともあります。

なぜカビが発生するのかというと、トイレは、水が常にあり、密室ということもあってカビが発生しやすい温度や湿度になりがちなためです。そのため、普段から掃除をしているつもりでも、先述のような、目につきにくい場所にカビが発生している可能性があります。

湿度管理のための換気は有効ですが、換気扇を長時間強運転すると室内が負圧になり、まれに封水(排水トラップの水)が減って下水臭の原因になることがあります。
通常のトイレ換気扇であれば、使用後15~30分程度のタイマー運転など、状況に合わせて調整してください。
24時間換気システムの場合は、取扱説明書の推奨設定もあわせて確認しておくと安心です。

下水臭

排水トラップが不具合を起こし、適切に機能していないと下水臭が漂うこともあります。

そもそも排水トラップとは、下水の臭いがトイレに侵入しないように防ぐための仕組みのことです。
具体的には、封水と呼ばれる一定量の水を便器に溜めておくことで空気の流れを遮断しています。

この排水トラップの封水が不足していると、下水の臭いがトイレ内に侵入してしまいます。
長期不使用や強い換気によって封水が蒸発すると下水臭が上がりやすくなるため、まずは数回連続で洗浄して封水を回復させてください。

また、排水管の周りに設置されている防臭パッキンが劣化によって硬化・ひび割れを起こし、その隙間から下水臭が上がってくることもあります。
この場合は、パッキンの状態をチェックしてください。ゴムが硬くなっている、ひび割れがあるといった場合は新しいパッキンに交換してください。
パッキンは部材選定や締付トルク管理が必要なため、不安がある場合は専門業者への相談をおすすめします。

排泄の臭い

自分自身や前に使用した人の排泄の臭いも主な原因です。例えば、先ほども説明したような尿の飛び跳ねによる臭いのほか、便器に便がこびりついているケースもあります。

これらの汚れを放置していると徐々に固くなって取り除きにくくなるため、こまめに掃除をして汚れを落とすなどの対策が必要です。

また、掃除の際に使用するトイレブラシにも汚れが付着して臭いの原因となることもあるため、トイレブラシを使用した後は汚れが残らないようにしっかりと洗い流すようにしてください。

排泄後の掃除に加えて、消臭剤を活用することも効果的です。

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トイレの臭いはどこからくるの?

トイレの臭い=便器のイメージを持っている人もいるかもしれませんが、発生元はさまざまです。ここでは、トイレの臭いが具体的にどこから来ているのか解説します。

床や壁

尿が床や壁に飛び散ることがありますが、飛散した箇所をしっかりと拭き取らないままにしていると臭いが発生する可能性があります。特に壁のクロスに尿が染み付いてしまうと簡単には臭いを取り除けないため、こまめな掃除を徹底することが大切です。

また、トイレの床にトイレマットを敷いている場合、マット周辺が死角になるため注意しなければなりません。例えば、便器を伝ってマットやマットの裏に尿が入り込んでいるケースもあります。そのような部分を放置したままにしていると、やはり臭いがするようになります。

便器

排泄物に直接触れる便器は臭いの発生元になりやすい部分です。特に便器の縁の裏側など、普段目に入らない部分に尿が飛び散って尿石となり、臭いの発生源となってしまうケースは少なくありません。また、便座の裏側や便座と便器の結合部分は、尿や汚れなどが溜まりやすい箇所です。

便器を掃除する際は、便器の表面だけでなく裏側や便座との結合部分など、細かいところまで気を配る必要があります。

便座

便座にも排泄物が付着するケースがあるため、臭いの元となる可能性があります。

特に温水洗浄便座の場合、座る部分だけでなく、洗浄を行うノズルやノズルと便器の結合部にも尿や便が付着するケースがあるため注意しなければなりません。
ノズルに付着した状態で元の位置に戻ると、内部にまで汚れが入り込んでしまい、臭いの除去が困難になります。

温水洗浄便座にはノズルの洗浄モードがついているケースもあるため、洗浄モードをこまめに稼働させることで汚れを取り除き、臭いの発生を防ぐことができます。

タンク

タンクは常に水で満たされているため、カビが発生しやすく、カビ臭の発生源となる可能性があります。便器や便座、床、壁をこまめに掃除していても、タンク内にカビが発生しているとトイレの臭いを取り除くことはできません。
そのため、タンクの掃除を定期的に行うことが大切です。

タンク内の清掃は、止水栓を閉めて内部部品を傷つけない範囲で、中性洗剤と柔らかいブラシを用いて行います。
タンク内へ重曹や塩素剤などの添加物を投入する方法は、部品劣化や不具合の原因となるおそれがあり、メーカーは推奨していない場合があります。

タンク内部の部品を外しての分解清掃が必要な場合は、無理をせず専門業者に相談し、基本的な日常清掃は取扱説明書の指示に従って行ってください。

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トイレの臭いを防ぐための習慣

トイレの臭いを防ぐためには、臭い対策を習慣的に行う必要があります。ここでは具体的にどのような習慣があるのか解説します。

こまめな掃除(床・壁も)

床、壁などのこまめな掃除は臭い対策の基本です。

床を掃除する際は、床に置いてあるものを全て移動させたうえで、最初に掃除機でホコリなどを吸い取ってください。そのうえで水に浸して雑巾や除菌クロスなどを使って拭き掃除を行います。最後に乾いた雑巾で水気を拭き取って掃除完了です。

壁も同じ要領で掃除を行ってください。なお、壁は床に近い場所ほど尿が飛散している可能性があるため、低い位置は特に入念に拭くことがポイントです。

正しい用の足し方(尿ハネ防止)

尿ハネ防止のために、正しい用の足し方を周知徹底することもトイレの臭いを消すための習慣です。例えば、男性の中には立って用を足す人もいるため、家庭内のルールとして「基本は座って用を足す」ことを共有しておくと、尿ハネを大きく減らせます。
また、尿が飛散しないように、水を流す際は便座のふたを閉めるのも効果的です。

芳香剤・消臭剤の活用

芳香剤を使用していい香りを拡散するのもトイレの臭いを取り除くための習慣として挙げられます。また、香りの付いた消臭芳香剤や、消臭スプレーなどの利用もおすすめです。

ただし、これらの方法はあくまでも一時的にニオイを抑えているだけである点に注意してください。例えば、尿石が残っている場合、芳香剤や消臭剤で一時的には臭いが改善されても尿石を取り除かない限り根本的な解決にはなりません。

慢性的な臭いを取り除くためには、臭いの原因となっている箇所への対策が必要不可欠です。

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トイレの臭いを一瞬で消す方法

ここでは、トイレの臭いを素早く軽減したり、その場の不快感を抑えたりする方法とおすすめ商品をご紹介します。今すぐ取り組めるものから、短時間のひと手間で効果が出やすい方法まであるので、ぜひ参考にしてください。

1. 市販の消臭スプレー

一瞬で臭いを消す方法の中でも、最も手軽に行えるのが市販の消臭スプレーを使用するというものです。消臭スプレーには、さまざまなタイプがあるため、目的やニーズに応じて使い分けてください。

例えば、悪臭が気になるときだけ使用したいときはスプレータイプがおすすめです。

スプレー缶に液体が入っており、ノズルをプッシュするだけで噴射できます。必要な時に必要なぶんだけ使える点が特徴です。使用頻度が多い場合は、サイズの大きいものを購入してください。

また、消臭スプレーを選ぶ際は、トイレ用の記載があるかどうかも確認します。同じ消臭スプレーでも室内用だとアンモニア臭やカビ臭、下水臭といったトイレ特有の臭いに対応できない可能性があるためです。

一方で、継続して消臭したいならコンセントに挿して使用するプラグタイプのものがおすすめです。なかでも、センサータイプのものは、人の動きを感知した時にのみ作動するため、使いすぎを防げます。

消臭剤・芳香剤の中には置き型のものもありますが、置き型は香りの拡散機会が少なく、効果を感じにくい場合があります。必要に応じてセンサー式やスプレータイプと使い分けると効率的です。

2. 酸性洗剤(アンモニア臭)

便器や床、壁などから発生するアンモニア臭は、尿によってできるものであり、アルカリ性のため、酸性洗剤を使用して中和させます。

酸性洗剤は、ドラッグストアなどで販売されています。臭いが気になる箇所に洗剤をかけ、ブラシや雑巾を使って拭いてください。

また、クエン酸を使用することも可能です。その場合、200mlの水に対してクエン酸小さじ1杯を溶かした水溶液をスプレーボトルに入れて噴射してください。クエン酸も酸性の成分のため、後述する塩素系洗剤とは絶対に併用しないようにご注意ください。

3. 塩素系洗剤(カビ臭)

カビ臭に関しては、市販のトイレ用の塩素系洗剤で取り除くことができます。商品によっては、固形の洗剤を便器に入れて、しばらく時間を空けて水を流すだけでカビ臭を取り除けるものもあります。

使用時は必ず換気し、ゴム手袋・保護メガネ等を着用します。
金属・天然石・大理石・木部など素材によっては変色や腐食の恐れがあるため、目立たない場所で試してから使用してください。
酸性洗剤(クエン酸水など酸性成分を含む製品を含む)と塩素系洗剤は、絶対に併用しないでください。

4. 汚れのこまめな拭き取り(常時)

トイレを使用した後に汚れを拭き取ることも、臭いを消すうえでは非常に重要です。尿石によるアンモニア臭のように、放置した結果発生してしまう臭いもあるため、日常的に汚れを拭き取る習慣が欠かせません。

そのためにも、トイレクリーナーなど、サッと掃除ができるアイテムをトイレ内に置いておくことが大切です。

※この記事で紹介しているアイテムは、いずれも「汎用的なトイレ掃除・消臭用品」です。トイレ本体や便座など、機種や型番によって適合が分かれる部品は、ご自宅の型番を確認のうえ、メーカー推奨品を選ぶようにしてください。

トイレの臭いが改善しない場合は交換を検討

ここまで紹介してきた方法を試しても、トイレの臭いがなかなか改善しない場合は臭いの発生している部分の交換を検討してください。ここでは具体的にどういった部分が挙げられるのか解説します。

便座の脱臭フィルターの詰まり

便座には脱臭フィルターがついているケースがありますが、そのフィルターにほこりが詰まると脱臭機能が低下し、臭いが気になるようになります。

そのような場合は、まず脱臭フィルターが詰まっているかどうかを確認し、必要に応じて掃除をしてください。掃除をしても臭いが改善されない場合は、業者に依頼して交換してもらってください。

ウォシュレットやパッキンの劣化

排泄物がウォシュレットに飛び散って臭くなっているケースもあります。ウォシュレットには、洗浄モードがついているケースもあるため、まずはそれを活用してウォシュレットをきれいにしてください。

多くの機種にはノズル洗浄や脱臭フィルターの手入れ手順が用意されています。取扱説明書に沿って日常清掃を行い、それでも改善しない・内部からの臭いが続く場合は、分解を伴うため点検や交換を依頼するのが安全です。

また、トイレのパッキンが劣化してヒビや隙間ができてしまうと、その部分から下水の臭いが漏れてくることもあります。

パッキン自体は、自分で交換することもできますが、ナットが固くて外れない、作業に慣れていない、どのパッキンを使うのかわからないといった場合は専門の業者に依頼することをおすすめします。

排水トラップの交換

トイレの排水トラップの不具合が臭いの原因になることもあります。具体的には、トラップ自体の破損によって、封水が不足し下水臭がするといったケースです。

トラップが壊れている場合、交換が必要ですが、排水方式(床排水/壁排水)や機種により必要作業は異なりますが、いずれも配管・止水・シーリングの専門知識を要します。異常が疑われる場合は自己判断で分解せず、点検を依頼してください。

10年以上経過している場合はトイレ全体の交換も視野に

トイレを使用して10年が経過している場合、トイレの寿命が近づいている可能性があるため、交換を検討することをおすすめします。

温水洗浄便座や内部部品は経年劣化し、メーカーの補修用性能部品の保有期間は概ね7~10年前後とされています。におい・水漏れ・作動不良が増えてきた場合は、修理と交換を比較検討する時期といえます。

トイレの劣化によって、いくら掃除をしても臭いが改善されない可能性もあるため、10年を目安に交換を検討してみてください。

トイレの臭いの原因に応じた対処法を実行しよう

トイレの臭いは、アンモニア臭やカビ臭、下水臭などさまざまであり、その発生原因も異なります。

臭いを発生させないためにも、発生した臭いを取り除くためにも、臭いの種類と原因、その対処法をそれぞれ理解しておく必要があります。また、消臭スプレーの使用や酸性・塩素系の洗剤を使用することで一瞬で臭いを消すことも可能です。

一方で、いくら掃除をしても臭いが改善されないケースもあります。
そのような場合は、まず専門業者による点検を受けたうえで、必要に応じて部品の交換や、トイレ全体の交換も検討してみてください。

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