「IHに切り替えたいが工事費用が気になる」「ガスとどちらが自分に合っているか迷う」などの声も多いキッチンリフォーム。施工内容や製品選びによって費用や使い勝手に大きな差が生じるため、自宅環境や求める機能に応じた判断が重要です。

IHクッキングヒーターへのリフォームは、施工方法や製品の選び方によって大きく費用が変わります。そのためご自宅のコンロ周りの環境や求める機能などに合わせて選択することが、満足いくリフォームを実現する上で大切です。

この記事では、IHクッキングヒーターのリフォーム費用の目安や補助金、IHとガスの違い、業者選びのポイントまでていねいに解説していきます。

IHクッキングヒーターのリフォーム費用の相場は?

IHクッキングヒーターの導入や入れ替えを伴うリフォームでは、現在のキッチン環境や工事内容によって費用相場が大きく変わります。以下に、パターン別の費用目安をご紹介します。

リフォーム内容費用目安(税込)主な追加工事・特徴
ガスコンロ → IHクッキングヒーター約13万〜40万円・200V専用回線の新設が必要になるケースが多い
・分電盤容量不足や配線距離が長いと追加費用あり
IHクッキングヒーター → IHクッキングヒーター約10万〜35万円・既存の電源設備を流用できるため工事費は2万〜3万円程度
・総額は本体価格に左右されやすい
IHクッキングヒーター → ガスコンロ約5万〜25万円(ガス管あり)
30万円以上(新規配管工事あり)

費用は工事の有無や設備状況によって大きく変わります。
ガスからIHへの切り替えでは電気工事が必須となり高額になりやすい一方、既存のIHからの交換は比較的安価に済ませられるケースが多いです。
見積りは「製品代+工事費込みの総額」、そして保証期間がついているかといった観点から比較検討するのが安心です。

IHクッキングヒーターのリフォームで活用できる補助金制度

IHクッキングヒーターをリフォームで取り入れる場合、補助金制度を活用できる可能性があります。

たとえば『子育てエコホーム支援事業(旧グリーン住宅ポイント制度)』では、ビルトイン型・自動調理対応のIHクッキングヒーター設置に対し、1万5,000円/戸が支給されます。

ただし設置は“任意工事”のため、節水トイレなどの“必須工事”を2つ以上併せて行う必要があります。

また、そのほかにも自治体の補助金制度を活用できる可能性もあります。自治体の制度は地域によって条件や金額などが異なるため、住まいの窓口に確認してみてください。

工事不要でIHクッキングヒーターをリフォームできる?

「できれば工事なしでIHを導入したい」と思う方もいるかもしれません。

ビルトインタイプのIHは、200V専用回路の設置など工事が必要なため、必ず電気工事士による施工が必要です。

ただし置き型タイプのIHクッキングヒーターなら、工事不要で導入が可能です。置き型タイプはコンセントに挿すだけで使えるため、現在のガスコンロの横に補助的に設置することができます。

メインの調理機器として使うにはやや非力ですが、一時的な対応や少人数の家庭では便利な選択肢となるため、検討してみるのも良い方法です。

IHクッキングヒーターとガスコンロ、どちらにしようか迷う場合

キッチンのリフォームで多くの方が迷うのが、「IHにするかガスにするか」という点です。どちらにもメリットとデメリットがあるため、ライフスタイルや調理の好みに合わせて選ぶことが大切です。

IHクッキングヒーターのメリット・デメリット

IHクッキングヒーターのメリットとデメリットは、以下の通りとなります。

メリットデメリット
IHクッキングヒーター・火を使わず安全性が高い・天板がフラットで掃除がしやすい
・熱効率が良く部屋が暑くなりにくい・タイマーや温度調整機能が便利
・専用の調理器具が必要な場合がある
・停電時に使用できない
・強火調理に物足りなさを感じることがある

IHクッキングヒーターの大きなメリットは、やはり火を使わないで済む点です。小さなお子さんやペットのいる家庭では、キッチンの事故も起きやすいため、IHクッキングヒーターを導入することでそうしたリスクを防げます。

一方で専用の器具でないと使用できない点や停電時に活用ができないなどのデメリットにも、考慮が必要です。

ガスコンロのメリット・デメリット

ガスコンロのメリットとデメリットも、以下でまとめました。

メリットデメリット
ガスコンロ・どんな鍋やフライパンでも使える
・強火での調理がしやすく炒め物に向いている
・停電時でも使用可能
・火を使うため火災リスクがある
・天板の凹凸や五徳で掃除が面倒
・夏場は室温が上がりやすい

ガスコンロの大きなメリットは、調理器具を選ばないことや強火力も使用できる点です。中華料理など鉄鍋や強い火力が必要な調理を頻繁に行う方は、ガスコンロのほうが便利さを感じるかもしれません。

一方で、火を使うことや掃除の手間などをリスクと感じる方は、IHクッキングヒーターのほうが向いています。

IHクッキングヒーターのリフォームはどこに依頼する?

IHクッキングヒーターのリフォームは、以下のような場所で依頼できます。

  • ・家電量販店
  • ・ホームセンター
  • ・住宅設備会社
  • ・電気工事店
  • ・ネット通販+設置工事のセット

それぞれにメリット・デメリットがありますが、価格と工事品質のバランスを重視する方には、『ネット通販+設置工事付きパッケージ』もおすすめです。

ネット通販ショップは実店舗を持たないため人件費・管理費がかからず、その分、製品を安く販売できます。また最近では工事セットで販売している店舗も多く、工事保証も充実している傾向にあるようです。

価格と工事に納得できることから利用者も多く、実績が豊富な店舗も多く見られます。

価格とサービスの両方に納得し、安心して設置工事を依頼できる会社を探している場合は、ネット通販をぜひ検討してみてください。

業者を選ぶ際のポイント

IHクッキングヒーターのリフォームを成功させるには、信頼できる業者選びがとても重要です。費用だけで判断せず、以下のようなポイントもチェックしてみてください。

施工実績の豊富さ

IHクッキングヒーターの交換の際は、施工事例が多く掲載されている会社や、経験年数が明記されている業者を優先して選ぶのがおすすめです。
電気工事に慣れている業者であれば、スムーズかつていねいな作業が期待できます。

口コミ・評判内容

実際に利用した人の声はとても参考になります。対応の早さや説明のわかりやすさ、仕上がりの満足度など、評価の高さは業者の信頼度を測る目安となります。

保証内容

製品保証だけでなく、工事保証がついているかどうかも重要です。万が一トラブルがあった場合に、無償で修理・対応してもらえるか確認しておきます。

対応力

問い合わせや見積もりの対応がていねいで早い業者は、工事中のやり取りもスムーズです。相談しやすさや、要望への柔軟な対応力なども、チェックしてみてください。

費用とサービス内容のバランス

IHクッキングヒーターを設置する際は、費用とサービス内容のバランスが整っているかどうかも確認が必要です。
たとえば極端に安い場合は保証がなかったり、工事品質が低かったりすると、結局損をすることもあります。

おすすめ3口IHクッキングヒーター

ここでは、使いやすさと機能性、価格のバランスに優れた3口タイプのIHクッキングヒーターをご紹介します。ビルトインタイプで交換やリフォームに適した人気モデルをピックアップしたので、製品選びにぜひ役立ててください。

パナソニックAシリーズ Tタイプ「KZ-A1T6S」

「KZ-A1T6S」は、左右IH+中央ラジエントヒーターの3口仕様です。大火力・光火力センサー・グリルのオート調理機能など、調理をサポートする機能も充実しています。

トッププレートはシンプルで掃除もしやすく、コストと機能のバランスが取れたモデルです。

交換できるくん|3口IHクッキングヒーター 「KZ-A1T6S」

パナソニックAシリーズ Mタイプ「KZ-A1M6S」

こちらはTタイプと同等の火力性能を持ちつつ、よりスリムでスタイリッシュなデザインが魅力のモデルです。グリルに庫内温度センサーを搭載し、魚やトーストも簡単に焼き上げられます。

交換できるくん|3口IHクッキングヒーター「KZ-A1M6S」

 

パナソニックBシリーズ「KZ-B1T6S」

「KZ-B1T6S」は基本性能にしっかり対応しつつ、価格を抑えたシンプルなモデルです。初めてIHを導入する方や、最低限の機能で十分という方に向いています。


交換できるくん|3口IHクッキングヒーター「KZ-B1T6S」 

まとめ|IHクッキングヒーターのリフォームで料理の快適性をアップさせよう

ガスからIHへのリフォームでは約13万〜40万円前後、すでにIH設備のある場合は約10万〜35万円前後が目安となります。補助金制度の活用や業者選びの工夫が、費用を抑えつつ満足度の高いリフォームにつながります。ぜひこの記事を参考に、納得のいくリフォームを検討してみてください。

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