落ち着いた和の雰囲気が魅力的な椿(ツバキ)の花。玄関先に植えて花を楽しみたいと考えている人も多いでしょう。

椿は地植え・鉢植え共にすくすく育ち、日陰でもしっかり伸びるので、お手入れ方法さえわかれば毎年花を楽しむことができます。定期的に剪定を行えば樹形もキープできますが、初めての剪定だと、どうやって形を整えれば良いのか悩んでしまいますよね。
この記事では、椿の剪定方法と剪定時期、お手入れのコツを解説いたします。

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椿の剪定時期は4月・5月

椿の剪定時期は花が枯れだす4月〜5月ごろがおすすめです。品種にもよりますが、一般的に椿の開花時期は11月から12月上旬、2月下旬から4月上旬ごろまでです。暖かくなり新しい花が無くなった頃に剪定すると切るべき枝がわかりやすいため、作業が簡単です。

6月以降は花芽が作られ始めるため、なるべく剪定せずに育てると次の11月ごろから花を楽しめます。剪定が遅れてしまった場合は、剪定する前に花芽がついているかを確認しながら剪定していくことをおすすめします。

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剪定を行う理由とは?

椿の木は、最低年に一度は剪定することが推奨されています。というのも、剪定しないでいると、だんだん大きくなってしまい、樹形が崩れてしまうからです。また、葉が生い茂ると木の内部が蒸れてしまい、害虫が発生しやすくなります。病害虫を防ぐためにも、年に一度はしっかり剪定し、さっぱりさせてあげましょう。

剪定すると、一時的に見た目が寂しくなりますが、その方が花芽もつきやすくなります。思い切って剪定することで、また生き生きと咲き誇る椿の花を楽しむことができます。

椿の剪定方法

椿の木の剪定

それでは早速、椿の剪定方法について解説いたします。剪定時に必要なアイテムもあわせて紹介しているので、参考にしてみてください!

必要な道具

椿の剪定で必ず必要な道具は以下の3つです。

  • 剪定バサミ
  • 植木バサミ
  • 軍手

椿の枝は硬いため、剪定バサミが必要です。枝を切れる専用の剪定バサミを用意しましょう。

新しい枝や細かい作業は剪定バサミだとしにくいため、植木バサミもあると便利です。植木バサミは剪定バサミとことなり、通常のハサミに近い形をしています。

そのほかには剪定後に塗る癒合剤があると安心ですが、小さな椿の場合はそこまで神経質にならなくても大丈夫です。剪定バサミや植木バサミは使う前と使った後に必ず消毒しましょう。

椿の剪定手順

椿の剪定は「クリスマスツリー」の形を意識して行います。クリスマスツリーのような円錐形の樹形になるよう剪定すると、次の剪定まで1年、綺麗な形を維持してくれます。

まずは、最終的にどのくらいのサイズ・高さにしたいのかを決め、その高さから半分〜2/3の位置で頂点をカットします。

頂点を決めたら、上を細く、下を太くのルールで全体をカットしていきます。剪定方法は「透かし剪定」で、余分な枝を付け根からカットしていくと理想の形が見えてくるはずです。

まずは古い枝や枯れ枝などを取り除き、ひょろっと徒長した枝や木の幹にぶつかりそうな枝、下向きに生えている枝などを根本から切り取ります。細めの枝なら、木の幹を傷つけないように植木バサミでカットしてしまうのがオススメです。

また、葉の裏に虫の卵がついていたら、迷わず枝を切り落とします。椿につきやすい害虫チャドクガの卵の可能性が高いです。ふわふわした茶色い見た目で、毒性があります。周りの枝葉の様子もチェックしながら他に被害がないか確認し、剪定をすすめます。

樹形を整える

透かし剪定が終わっても綺麗な円錐形にならない場合は、枝の先を剪定していきます。基本的には枝分かれしている場所の少し上を切ります。そうすることで、枝分かれした細い枝に栄養が行きやすくなり、育った時の樹形が整いやすくなるはずです。

切りやすい枝分かれの場所がない場合は外側にある芽の上で切ります。枝の外側についている芽を外芽と呼び、外芽はいずれ枝になります。内側についている芽を伸ばしても綺麗な樹形にならないため、外芽を大切にしながら育てていくと綺麗な形で枝を育てていくことができるでしょう。

剪定時期が遅くなってしまった場合は、花芽を切り取らないよう注意しながら作業をすすめます。花芽は葉芽に比べて丸みがあります。ぷくっとした芽があれば、花芽の可能性が高いので残すようにすると、花を楽しむことができます。

椿のお手入れ

椿

剪定だけでも元気な椿に育ちますが、綺麗な花を楽しんだり害虫予防するためには、もう一手間かける必要があります。椿の花を楽しむために必要なお手入れを3 つご紹介いたします。

殺虫剤で害虫予防

椿やサザンカの木に発生しやすい害虫として『チャドクガ』が挙げられます。チャドクがは卵・幼虫・さなぎ・成虫まですべての時期で毒を持っているため、見かけたらすぐに駆除する必要があります。触ると毒針が皮膚につき、かゆみや皮膚炎を発症してしまうため注意してください。

殺虫剤を散布することで、予防ができます。またチャドクガを見つけた場合は早急に駆除しましょう。ポンチョや使い捨て雨がっぱを着て肌を隠し、専用の殺虫剤を使うと被害を最小限に食い止めることができます。駆除する際には、毒針を撒き散らさないよう注意してください。

万が一、チャドクガの針が皮膚についてしまった場合は、セロテープで針を取り除きお湯で洗い流してください。発疹が出る可能性が高いため、心配な方は皮膚科を受診しましょう。市販の痒み止めでも効果はあります。

有機肥料で花付きをよくする

椿は土壌がよければ特に肥料を与えなくてもスクスク育ちます。しかし、葉の艶や花付きを良くするためには、有機肥料を与えると効果的です。

椿の花が一時的に咲かなくなった12月の間は休眠期となります。
その間にリン酸を多く含む肥料を与え、寒肥を行います。枝先の下、株元の周りに置くと、細かい根が栄養を吸収してくれます。

鉢植えの場合、根の近くに直接肥料を与えると肥料焼けする可能性があります。緩効性肥料を使うと、肥料やけしにくくなります。

冬の乾燥に注意!

椿は乾燥に弱いため、冬の乾燥に注意してください。全体に水をかけたり、土を湿らせるようにすると、乾燥を防げます。

また、日陰で育てている場合は「すす病」にも注意が必要です。すす病は黒い粉が発生する植物の病気で「カビ」が原因で発生します。ほこりが溜まりやすい場所や日陰などのジメジメした環境で発生しやすく、カイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生していると高確率で発症してしまいます。

一部が黒ずんでいる場合は、その部位を切り取り消毒すると収まる場合がありますが、全体的に黒ずんでいる場合は害虫駆除を行うことで、徐々に症状が治ります。特に冬は害虫が越冬のため枝や葉の間に隠れていることがあるため、注意してチェックしておくと安心です。

まとめ

鮮やかな花と深い緑の葉が美しい椿は、自分で簡単に剪定ができます。最初のうちは樹形の形をつくるのが難しいですが、毎年お手入れをしていれば、徐々にコツがつかめるはずです。
これから椿の木の剪定をお考えの方は、ぜひ本記事を参考にチャレンジしてみてください。

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