「エアコンって、20年くらい使っても平気なのかな」「うちのエアコン、30年選手だけどまだ動いてるけど、いつまで使えるの?」

エアコンは大切に使えば長持ちしますが、寿命やリスクを知らずに使い続けると、思わぬトラブルにつながることもあります。

この記事ではエアコンの本当の寿命や、20年・30年使える理由、長く使うためのコツなどについてわかりやすく紹介します。エアコンの調子が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

エアコンの寿命は本当に10年?その理由を解説

エアコンは、家電製品の中でも比較的長く使えるイメージを持たれることが多いですが、実際の寿命は「10年前後」とされています。

ここでは、なぜエアコンの寿命が10年程度とされるのか、その理由を詳しく解説します。

設計上の使用期間を10年とするメーカーが多いため

多くのエアコンメーカーは、内部の部品が10年間の使用に耐えるように設計しています。

10年を超えると、部品の劣化や性能の低下によるトラブルが発生しやすくなるため、安全性の観点からも使用期間としては「10年」が、ひとつの区切りとされているのです。

部品の最低保有期間を10年とするメーカーが多いため

エアコンを修理するためには、メーカー側が部品を保管している必要があります。しかし、実際は製造終了品の部品を保管する期間は「10年間」と定めているメーカーがほとんどです。

修理できる体制が維持されるのもおおむね10年であることから、「エアコンの寿命=10年」と言われているのです。

天井カセットエアコン

残存率が10年前後が多いため

参考:一般財団法人家電製品協会製品安全委員会「内閣府「消費動向調査」データによる家電製品使用年数調査報告書」を元に作成

一般財団法人家電製品協会製品安全委員会が調査したエアコンの残存率(=壊れずに使われている割合)は10年前後で大きく下がる傾向にあります。

こうしたデータからも、エアコンの現実的な寿命は10年程度と考えるのが妥当と言えそうです。

エアコンの寿命を延ばす方法!20年・30年使い続ける秘訣

本来10年前後とされるエアコンの寿命ですが、なかには20年、30年と長く使われているケースもあります。

ここでは、長持ちするエアコンの使い方のポイントを紹介します。

夏・冬しか使用しない

エアコンを1年中使う家庭もあれば、夏の冷房と冬の暖房だけに使う家庭もあります。

使用時間が少なければ当然、内部の部品にかかる負担も少なくなり、劣化のスピードがゆるやかになります。

定期的なメンテナンスを行う

エアコンを長く使い続けるためには、こまめなメンテナンスが欠かせません。

定期的にフィルターを掃除し、1〜2年に一度は専門業者に内部クリーニングをお願いすることで、エアコンのパフォーマンスを維持しやすくなり、エアコンの健康寿命にも良い影響を与えます。

使用しない時期に適切に管理する

エアコンを使わない季節にも、ちょっとした気配りが大切です。

たとえば、室内機にカバーをかけてホコリの侵入を防いだり、室外機に直射日光が長時間当たらないように日除け対策をするなど、適切な管理を心がけるだけでも、エアコンの寿命に良い影響を与えます。

エアコンを正しく活用する

日常の使い方にも、エアコンを長持ちさせるコツがあります。

たとえば、設定温度を適切に保つことで、エアコンに過剰な負担をかけずに済み、機器の劣化を遅らせることにつながります。また、使用後には送風運転をして内部を乾燥させることで、カビの発生を防ぐことができます。

さらに換気を適度に行うことも大切です。室内の空気がこもらず、エアコンの効率もアップします。

こうした小さな工夫の積み重ねが、エアコンを20年、30年と使い続ける秘訣です。

エアコンの使用年数や型番の確認方法

エアコンの寿命や買い替えを考えるとき、まず大切なのは「今使っているエアコンがいつ製造されたものか」を把握することです。しかし設置から時間が経つと、正確な年数を忘れてしまうこともあると思います。

そんな時は、エアコンの室内機や室外機に貼られている製品ラベルをチェックしてみてください。ラベルには「型番」や「製造年」が記載されている場合があります。

また、型番とメーカー名がわかれば、インターネットで検索して製造年を調べることも可能です。型番検索を活用すると、製造時期だけでなく、当時の仕様や性能も確認できます。

20年以上使ったエアコンは交換すべき?リスクと判断基準

20年・30年と、エアコンを大切に使い続ける家庭もあると思います。

長く使用していても故障もなく、不具合も感じないなら、すぐに買い替える必要はないかもしれません。

しかし古いエアコンは、電気代が高くなりやすく、冷暖房効率も落ちている可能性があります。また、ある日突然壊れてしまうリスクもあり、真夏や真冬にエアコンが故障すると、体調や生活に悪影響を及ぼすこともあります。

大きなトラブルを防ぐためにも、20年、30年経ったエアコンは、できるだけ早めに買い替えることも選択肢に入れておくと安心です。

参考:失敗しないエアコン取付業者の選び方|交換できるくん

エアコンを買い替えた場合の費用相場

一般的な家庭用エアコンの買い替え費用は、本体価格と取り付け工事費を合わせて、10万円〜20万円程度が目安となります。

グレードや機能によって価格帯は幅がありますが、6〜8畳用の標準モデルであれば10万円前後で取り付け・取り外し費用を含めて、購入できることもあります。

ただし既存のエアコンの設置状況が特殊であったり、部品や工事の追加が必要だったりする場合は、相場よりも高額になるかもしれません。

事前に見積もりを依頼し、費用を確認しておくと安心です。

エアコンの買い替えで活用できる補助金制度

エアコンの買い替え時にリフォームも行う場合、「子育てグリーン住宅支援事業」の補助金を活用できる可能性があります。

ただし、この制度を活用する場合、規則に沿ったリフォーム工事を同時に行うことや一定以上の性能を持ったエアコンを設置することなどが条件です。

参考:空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置【リフォーム】|子育てグリーン住宅支援事業【公式】

また、自治体によってはエアコンの購入支援を行っているところもあります。たとえば、東京都では「東京ゼロエミポイント」を実施しています。

エアコンの購入によって1万2,000円〜2万3,000円相当のポイントが付与され、このポイントはエアコンの購入時に「値引き」として活かされる仕組みです。

自治体の補助金制度の内容は地域によって異なるため、住まいの地域の専用窓口に確認してみてください。

買い替えのタイミングは?

エアコンを安く買い替えたいなら、買い替えのタイミングも大切なポイントです。

おすすめの時期は、エアコンの需要が落ち着く春や秋です。この時期は家電量販店でもセールが行われやすく、型落ちモデルが安く手に入りやすい傾向にあります。

逆に、夏や冬の繁忙期は価格が高めになるため、急な故障に備えて早めに準備しておくのがおすすめです。

エアコンの寿命!?故障のサイン

エアコンは、故障が近づいてくるとさまざまなサインを発します。普段とは違う、次のような動きに気づいたら、早めに対処することが大切です。

エアコンの電源が入らない・途中で消える

リモコンを押しても電源が入らない、途中で勝手に電源が切れるといった症状は、内部基板やコンプレッサーに不具合が起きている可能性があります。

修理に費用も時間もかかる部分のため、使用年数によっては買い替えをしたほうが経済的かもしれません。

ブレーカーが落ちる

エアコンを運転した途端にブレーカーが落ちる場合、電気系統に大きなトラブルが起きているかもしれません。安全のためにもすぐに使用を中止してください。

異音・異臭がする

通常とは違うガタガタ音や、焦げたようなにおい、カビ臭などが漂ってきたら要注意です。内部の部品劣化や汚れが進行している可能性があります。

部屋が涼しくならない・暖かくならない

設定温度通りに部屋が快適にならない場合、冷媒ガスの漏れやコンプレッサーの故障が考えられます。効きが悪いと感じたら、早めに点検を依頼してください。

適切な設置環境なのに水漏れが生じる

室内機が正しく設置されているのにも関わらず、エアコンから水が垂れてきたら、ドレンホースの詰まりや内部の結露不良などが考えられます。

放置していると床や壁を傷めるので、早めに対処が必要です。

故障と勘違いしやすいエアコンの症状

エアコンに不具合を感じても、実は故障ではないケースもあります。焦らずチェックしてみてください。

【故障ではないエアコンの不具合と考えられる原因】

  • ・リモコンがつかない→電池切れの可能性
  • ・室外機周りが濡れている→結露によるもの
  • ・エアコンの風量にムラがある→汚れが溜まっている可能性
  • ・設置不良による水漏れ→エアコンの傾き・ドレンホースのつまりなど

エアコンを安くお得に買い替える方法と補助金活用

エアコンをできるだけ安くお得に買い替えるためには、国や自治体などが提供している補助金制度を活用することをおすすめします。

対象製品を選べば、数万円単位で費用を抑えられる場合もあります。

また、家電量販店のセール時期を狙うのも有効です。夏前や年末など、大型セールが行われる時期には型落ちモデルのエアコンが大幅に値下げされることもあるため、チェックしてみてください。

まとめ|20年・30年使用したエアコンは買い替えの検討を!

エアコンは適切に管理すれば20年、30年と使い続けられる場合もあります。しかし安全面や省エネ性能を考えると、一定の年数を超えたら買い替えたほうが安心です。
突然の故障リスクを防ぎ、快適な室内環境を整えるためにも、設置年数をしっかり確認し、早めの準備を心がけてみてください。
エアコンの買い替えをスムーズに進めるための参考として、この記事が役立てば幸いです。

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