お風呂場や台所(キッチン)、洗面所、トイレ、洗濯機などに設置されている水道の蛇口。吐水口からポタポタと水漏れしたり、接続部分から水が染み出したりすることはありませんか?

このような水道の水漏れが起こった場合、蛇口を修理せずとも「パッキン」の交換だけで直ることもあります。本記事では、蛇口(水道)パッキンの種類やサイズを解説します。

蛇口(水道)のパッキンとは?

蛇口パッキン 交換

蛇口(水道)パッキンとは、蛇口や配管の接続部分に取り付けられている部品の総称です。ゴム製のパーツで形は輪状をしており、大きさや厚さなどはさまざまです。

ゴムパッキンは、水道(蛇口)の接合部分の水漏れ防止やスピンドルやナットなどの金属パーツ同士の摩耗を軽減するために設置されています。パッキンはゴムで作られていて柔軟性があるため、接地面に多少凸凹があってもしっかり密着して水を止められます。

ちなみにゴム製のパッキンは熱に弱いため、温度が高くなることのない給水管(蛇口)などに用いられます。熱くなる給湯器の管などには、熱に強いシートパッキン(厚紙のような材質)が用いられます。

水道(蛇口)から水漏れが起こった場合、パッキンが劣化している可能性が高いです。パッキンが取り付けられている接合部は、水道管周辺の部品のなかでも動きや摩耗が多いため、どうしても劣化しやすくなります。

なお、ゴムパッキンの寿命の目安は10年ほどです。水漏れが起こったら、新しい水道パッキンに交換する必要があります。

参考:蛇口は修理より交換がお得?コスパ徹底検証!|交換できるくん

蛇口(水道)パッキンの種類

家庭用の蛇口で使われるパッキンにはいくつか種類があります。ここでは、主なパッキンの種類を5つご紹介します。

平パッキン

水道のパッキンのなかで、もっともスタンダードな形です。名前のとおり、輪状で平たい形をしており、配管の接続部分によく使われます。

三角パッキン

三角錐のような形状をしたパッキン。厚みのあるパッキンで上部の穴の半径が小さく、下部の穴の半径が大きいため、真横から見ると台形のようなシルエットになります。

Oリング

その名のとおり、アルファベットのOの字をした輪状のパッキンです。細いチューブをつなげて輪状にしたような形をしており、厚みがなく角もありません。シャワーヘッドの根元などに使われます。

Uパッキン

吐水口の付け根または本体内部に設置されているパッキンです。溝があることで、回転の動きをスムーズにします。

見た目は円形ですが、よく見るとパッキン上部に溝があります。断面図が「U」の字に見えるためこの名前がついたようです。

コマパッキン(ケレップ)

コマパッキンは、玩具の独楽(こま)のような形状をしたゴム製のパッキン。水道のハンドル下には、すべてこのコマパッキンが入っています。ハンドルをひねると、コマパッキンが回転して水道口を塞ぎ、止水します。

[補足]
キッチン用として使用されているワンホール混合水栓の場合には、パッキンの変わりに「カートリッジ」と呼ばれるパーツが組み込まれており、水漏れ修理の際はカートリッジを交換します。混合水栓とは、お湯と水が一つの蛇口から出るタイプの水栓です。

蛇口(水道)パッキンのサイズについて

蛇口パッキン サイズ

パッキンの種類が正しくても、サイズが異なるとうまく取り付けられません。パッキンのサイズは、内径と外径、もしくは「呼び径」(よびけい)で表記されています。

内径と外径

パッキンの穴のサイズを「内径」、パッキンの直径を「外径」とよびます。

呼び径

呼び径(よびけい)とは、水栓(蛇口)の根元にある取り付けネジの外径です。「呼び」とは配管用パイプの内径を指します。家庭用の水道なら呼び径は13mmが一般的です。

蛇口(水道)パッキンのサイズを間違えるとどうなる?

パッキンを交換する際、間違ったサイズや種類のパッキンに取り替える、逆向きに取り付けるといったことをすると、接続部分が不安定になったり、窮屈で動かしにくくなったりして水漏れのトラブルにつながります。

蛇口からの漏水はシンク周りが汚れるだけでなく、水道代もかさんでしまいます。必ず正しいサイズと適切な種類のパッキンを選ぶことが大切です。

蛇口(水道)パッキンのサイズを調べる方法

水道パッキン 交換

パッキンのサイズや種類を調べるにはいくつか方法があります。ここでは、方法を3つご紹介します。

呼び径をチェックする

呼び径のサイズをチェックする・測る方法です。前述のとおり、家庭用の水道なら呼び径13mmが多いので、「呼び径13mm」と書かれたパッキンを選びます。ただ、まれに呼び径20mmの場合もあるので、パッキンを購入する前に確認するのがベターです。

確認方法は、パッキンを交換する水道のメーカー名と型番をインターネットで検索して、そこに書かれた呼び径のサイズをメモします。

シールや刻印が見づらくメーカー名や型番が読み取れない場合は、蛇口の壁との接続部分のパイプの外径を、定規やノギスで測ることで呼び径がわかります。

このとき、外径と呼び径の数値は同じではないため、注意してください。外径が16mmなら呼び径は13mm、外径が19mmなら呼び径は20mmになります。

蛇口・水栓

メーカー名と型番(品番)を調べる

水道のメーカー名と型番(品番)がわかれば、パッキンの種類とサイズもわかります。メーカーと型番(品番)は、蛇口本体の根元部分に貼ってあるラベル、もしくは刻印で確認できます。
ただし、長年使用している蛇口だとシールがところどころ剥がれて読めないことも。その場合は、蛇口の取扱説明書から確認します。水栓の種類によって、ラベルや刻印の場所が異なることがあるので注意が必要です。

単水栓

単水栓(たんすいせん)とは、水かお湯いずれか1つを出す水栓器具で、スタンダードな形状をしています。単水栓は、壁との接地面に設けられるストッパー(台座)や、蛇口本体にメーカー名が記載されていますが、型番は記載されていないことも多いようです。メーカー名を確認できたら型番は該当するメーカーのカタログやWEBサイトで確認します。

シングルレバー混合水栓

シングルレバー混合水栓は、1つのレバー(ハンドル)で水を出す量と温度を操作できる水栓器具です。レバーを上下に動かすことで排水・止水を操作でき、かつレバーを左右に動かすことで温度を調整できます。レバー箇所にメーカー名の刻印があり、レバーの根元付近に型番が記載されたシールが貼ってあることが多いです。

ツーハンドル混合水栓

ツーハンドル混合水栓は、ハンドルが2つ並んでおり、1つからお湯、もう1つから水が出る水栓器具です。比較的古い物件で見かけるタイプです。「ツーバルブ混合栓」と記載されることも。ハンドルが並ぶ蛇口の下のほうに、メーカー名の刻印や型番のシールが彫られていることが多いです。

分解してパッキンを調べる

水道パッキン サイズ

メーカー名や型番(品番)、呼び径がわからなければ、モンキーレンチや六角レンチなどの工具で水道のパーツを分解してパッキンを取り外す方法をとります。水道の種類によっては、プラスドライバーやマイナスドライバーが必要になるケースもあります。なお、パッキンを取り出す際はあらかじめ水道の元栓を閉めてください。

一般的に、元栓は水道メーターの横に設置されていることが多いです。しかし、集合住宅では他の部屋も併せて設置されていたり、また不用意に開けられないように鍵がかけられていたりする場合があります。

コマパッキンなど、小さな部品についてはピンセットを使うと取り出しやすいです。もっとも確実なのは、分解して取り外した古いパッキンをホームセンターに持参し、実物とサイズや厚さを見比べたり、店員に聞いたりする方法です。

パッキンは形状が似ているものの、さまざまな種類のものが販売されているため、店員に実物を見せて判断してもらうのが確実でおすすめです。ただし、この方法だと新しいパッキンに交換するまで蛇口が使用できないため、注意が必要です。

蛇口(水道)パッキンのサイズを間違えるとどうなる?

パッキンを交換する際、間違ったサイズや種類のパッキンに取り替える、逆向きに取り付けるといったことをすると、接続部分が不安定になったり、窮屈で動かしにくくなったりして、水漏れのトラブルにつながります。

蛇口からの漏水はシンク周りが汚れるだけでなく、水道代もかさんでしまいます。必ず正しいサイズと種類のパッキンを選ぶことが大切です。

蛇口(水道)パッキンを自分で交換するやり方

ここでは、蛇口パッキンを自分で交換する方法について解説します。

必要な道具を準備する

まずは、交換で使用する道具を用意します。

モンキーレンチまたはスパナ

ナットや蛇口本体、クランクを外すのに使用します。サイズ調整ができるモンキーレンチが便利です。

プラスドライバー・マイナスドライバー

ハンドル部分のネジを外すために使用します。蛇口の種類によって使い分けが必要です。

交換用のパッキン(コマパッキン、Oリングなど)

蛇口の種類に応じた交換用のパッキンを準備します。

ピンセットまたはラジオペンチ

古いパッキンを取り外すときに便利。特に奥まった場所にある場合に重宝します。

シールテープ(テフロンテープ)

ネジ部分の水漏れを防止するために巻くことがあります。

タオル・雑巾

万が一水がこぼれてもいいように作業場所を保護します。

1.止水栓を閉める

まずは、水道の元栓(または蛇口の止水栓)を閉めて、水が出ない状態にします。止水しないと作業中に水漏れを起こす可能性があります。

2.蛇口を分解する

蛇口の種類によって分解方法は異なりますが、ハンドルを外し、内部のスピンドルやナットをモンキーレンチでゆるめて取り出す場合が多いです。

3.古いパッキンを取り出す

ナットの内側やスピンドルの先端についている古いパッキンを、ピンセットなどを用いて取り外します。

4.新しいパッキンと交換する

同じサイズ、同じ形状のパッキンを差し込み、元通りに部品を戻します。

5.蛇口を組み立て直す

ナットやハンドルを元に戻して、しっかりと締めます。ただし、締めすぎると破損する恐れがあるので注意してください。

水が出るか確認する

止水栓を開けて水が流れるか、また水漏れがないかを確認します。漏れている場合は、ナットの緩みやパッキンの入れ間違いを再確認してください。

蛇口(水道)パッキンを自分で交換する際の注意点

水道パッキン交換 やり方

自分で蛇口のパッキンを交換する際には、いくつか注意点しなければならない点があります。

パッキンのサイズと形状を確認する

パッキンには様々な種類・サイズがあります。誤ったサイズを取り付けると水漏れが改善しない、むしろ悪化することがあります。事前に使っている蛇口のメーカー・型番を調べ、適合するパッキンを購入してください。

工具の使用に注意する

モンキーレンチなどでナットを強く締めすぎると、蛇口本体を破損する原因になります。締めるときは手で回す程度、軽く工具で締める程度にとどめておくのが安全です。

部品の順番を覚えておく

蛇口を分解するときは、外した部品の順番を覚えられるように写真を撮っておくと良いです。誤った順番で組み立てると、正常に機能しないだけでなく、水漏れを起こすリスクにつながってしまいます。

パッキンの劣化状態を確認する

パッキンが割れていたり溶けていたりすると、その破片が蛇口内部に残って新しいパッキンを入れても水漏れが直らないことがあります。内部も丁寧に掃除してから取り付けるのが重要です。

作業後の確認を怠らない

交換作業後は、止水栓を開けて水を出し、水漏れがないか必ずチェックしてください。また、ハンドルの操作に違和感がないかも確認すると良いです。

まとめ

蛇口(水道)のパッキンは、普段じっくり意識して見ることは少ないですが、水漏れを防いで水道をスムーズに使うために欠かせない存在です。

水漏れが多発するなど、パッキンの劣化症状のサインに気付いたら、本記事を参考に正しいパッキンに交換してみてください。ただし、水回りのDIYは、取り外した部品を紛失してしまったり、修理箇所以外のパーツを誤って破損させてしまう恐れもあるので、くれぐれも慎重に行うことが必要です。

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