洗面台下から「ポタポタ」水漏れ…原因は?被害を広げない対策と修理の費用相場について
2025/11/26
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2025/11/26
洗面台の下から「ポタポタ」という音に気が付いた瞬間、少し不安になりますよね。水漏れは見た目以上に厄介で、放置すればキャビネットの腐食やカビの発生、さらには階下への漏水トラブルにつながることもあります。とはいえ、すぐに業者を呼ぶべきか、それとも自分で対処した方が良いのか判断がつきにくいもの。この記事では、洗面台下で起こる水漏れの主な原因と、被害を最小限に抑えるための初期対応、そして専門業者へ依頼する判断基準や費用相場について解説します。

目次

ポタポタという音からすると、非常に些細な水漏れに思えるかもしれませんが、実は放置しておくと、深刻な事態に陥る可能性があります。
洗面台下のキャビネットは木製や合板のものが多く、湿気や水分に弱いです。そのため、水漏れを放置してしまうと、素材が水を吸って腐食や変形が進んでしまいます。一度、変形してしまうと元には戻らず、最悪の場合はキャビネットの交換や取り替えが必要となります。
洗面台下は、通常時でもカビが発生しやすい環境です。その上、水漏れが起これば瞬く間にカビが広がってしまいます。洗面台下の裏側など清掃ができない箇所にまでカビが蔓延してしまうと、部材の取り外しや交換をしなければならないケースも。
最も重大なリスクなのが階下への漏水です。洗面台下から発生した水漏れは床材の裏まで染み込み、下の階にまで到達することがあります。天井にシミができたり、電気設備に影響を与えたりと、階下の住民に実害が出てしまうと、損害賠償に発展することも考えられます。

洗面台下から水漏れが起こる原因としては、大きく以下の4つが考えられます。
| 場所 | 原因 |
| 配管の接続部 | ・ナットの緩み・パッキンの劣化 |
| 蛇口・シャワーホース | ・バルブカートリッジやパッキンの劣化・シャワーホースの老朽化 |
| 排水パイプ | ・金属製パイプの腐食・プラスチック製パイプの劣化・硬化 |
| 排水管 | ・汚れの詰まり |
給水・給湯側の配管は、壁や床から立ち上がって蛇口につながっており、常に水道の圧力がかかっています。そのため、ナットの締め付けが弱くなったり、内部のパッキンが劣化したりすると、水を流していなくても持続的に水漏れが発生します。
一方で、排水側の配管ではS字やP字の形をした排水トラップと呼ばれる部分や、床下の排水管に接続される部分で緩みや劣化が起こりやすいです。この接続部の緩みや劣化も、ナットの締め付け不足や内部で用いられる防臭ゴムやパッキンの経年劣化によって起こります。
蛇口本体に内蔵されている水の流れを制御するためのバルブカートリッジやパッキンといった部品は、水に含まれるミネラル分や温度変化によって少しずつ劣化していきます。
また、シャワーヘッドを引き出せるタイプの蛇口では、ヘッドと水栓本体をつなぐシャワーホースが老朽化の原因になることも。通常、シャワーホースは水が通る内部のチューブと、それを保護するカバーで構成されています。ただし、引き出したり巻き戻したりする動作が繰り返されることで小さな亀裂が入り、そこから水が噴き出したり滲み出たりすることがあります。
金属製のパイプであれば、長期間の使用によって内部から腐食が進んでいきます。プラスチック製のパイプでは、洗面台下の収納物との接触・摩擦や、熱湯が頻繁に流れることで素材の劣化・硬化などが進み、亀裂が生じます。また、高頻度で強力な洗剤や薬品を流していると、その成分によってパイプ内部が侵食され、脆くなって破損につながるケースも。
排水管が詰まると、水がスムーズに流れなくなって管内の水圧が上昇します。特に、洗面台下には臭気止めのためにS字やP字の曲がりくねった排水トラップが設置されています。このトラップ部分に髪の毛や石鹸、洗顔料、歯磨き粉といった汚れがたまる傾向にあります。汚れが蓄積すると、水が漏れないはずの排水パイプの接合部から、水が漏れ出してしまうことがあります。


万が一、洗面台下からポタポタと水が漏れているのが判明したら、まずどのように対処すべきでしょうか?ここでは、専門知識がない方でもすぐにできる対処法を解説します。
水漏れを発見したら、まず何よりも先に水の供給を止めてください。洗面台下には、給水管と給湯管それぞれに止水栓が設置されているのが一般的です。止水栓が見当たらない場合や、閉めても水が止まらない場合は、水道メーターの近くにある元栓を閉める必要があります。
洗面台下の収納物をすべて取り出し、配管全体を見える状態にしてください。次に、水が漏れている箇所を上から下まで念入りに観察します。この際、水を使っているときだけ漏れるのか、それとも水を使っていないときも漏れているのか確認することをおすすめします。また、通電機器がある場合は、濡れた状態で触れると感電する恐れがあるため注意してください。
戸建てで2F以上にある洗面台から水漏れが発生しているとき、または集合住宅で階下に別の人が住んでいる場合には、迅速に階下への影響を確認してください。水は時間をかけて構造材に染み込むため、気が付いたときにはすでに下の階の天井や壁に広範囲のシミができていることも。集合住宅の専有部分で発生した水漏れが原因で下の階に損害を与えた場合、原則として水漏れを起こした側が賠償責任を負います。

洗面台下の水漏れを未然に防ぐには、日頃の清掃やメンテナンスが重要です。ここでは、有効な予防法について3つ解説します。
髪の毛やヒゲ、石鹸カス、小さなゴミなどが流れると、少しずつパイプ内に固着して水の流れを妨げます。特に、排水トラップは詰まりやすいため、市販されているヘアキャッチャーや目の細かいネットを排水口に取り付けると良いです。
汚れは徐々に堆積していくため、最低でも月に一回、市販の液体パイプクリーナーを用いて配管内を定期的に洗浄することをおすすめします。なお、パイプクリーナーは強い薬剤であるため、製品に同封されている指示書に従って適切に使用してください。
洗面台下の収納スペースは、湿度が高くなりやすいです。湿度が上がると、金属製の配管や接続部のナットの腐食や、ゴムパッキンの劣化を加速させる原因にも。定期的に、収納扉を開けて換気をする、あるいは除湿剤を設置するなどして、収納スペースの湿度を下げるようにしてください。

自分で修理が可能なケースは、主に特別な工具の用意や部品交換の知識がなくても対応できる軽微なトラブルに限られます。最も一般的なのは、給水管や排水パイプなど接続部のナットが緩んでいることによる水漏れです。
反対に、配管やホース本体に亀裂や穴が開いている場合などは、部分的な補修では解決せず、配管全体または一部を交換しなければいけません。指示書に記載されていない薬剤を多用・混用したり、配管へ物理的な荷重をかけたりすると、かえって水漏れの箇所が悪化してしまうことも。難しいとわかった時点で専門業者へ修理や点検を依頼するのが確実です。
特に、原因箇所が不明、または階下漏水が発生している、あるいはそのリスクが高いケースについては、被害の拡大を食い止めるためにも、いち早く業者に依頼してください。

洗面台下の水漏れを修理する際にかかる費用は以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 | 費用 |
| 点検・軽微な修正 | ナットの締め直し、配管の調整 | 約4,000円~10,000円 |
| 部材の交換 | 給水管や水栓内部のパッキン、シール材の交換 | 約4,000円~5,000円 |
| 排水トラップの交換 | トラップのナット、トラップ本体、パッキンなどをすべて交換 | 約15,000円〜30,000円+製品代 |
| ホース・水栓本体の交換 | 給水ホースや水栓、カートリッジの交換 | 約20,000円〜60,000円+製品代 |
なお、ここに記載しているものはあくまで相場であり、製品や工事内容によって変動します。より詳しい費用が知りたい方は、専門業者から見積もりをもらうことをおすすめします。
洗面台下の水漏れは、些細なものとして見過ごされがちですが、早めに手を打たないと事態が深刻化してしまうことも。水漏れの発生に気がついたら、適切な対処を行い、自力での修理が難しい場合は、無理をせず専門業者への依頼を検討してください。


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