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地球に穴が!

おはようございます。

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蒸し暑い日が続きますが、クーラーで体を壊さないようご注意ください。

今日は、最近ニュース報道の少なくなったメキシコ湾での原油流出事故についてお伝えしようと思います。

事故直後に比べ報道は相撲、ワールドカップといった話題にシフトし、ネット上でも海外メディアが日々伝えるような情報が、国内に報道されないことに少し危機感を覚えます。

自分にとっても良い機会だと思い少し事故について調べてみました。

そもそも、メキシコ湾は、ご存知の通り、大陸での化石燃料消費を支える大型の施設が建ち並ぶ採掘地域の一つです。俗に言われる「メキシコ湾岸油田」とは、メキシコ湾周辺の油田及びガス田の総称であり、湾岸で活動する石油・天然ガスプラットフォームは4,000にも達するといわれ、年間の生産量は約470万バレル[*1]にも上るそうです。

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*1:石油用1バレルは約160リットル(158.987?)

1900年代初頭から開発が盛んになったテキサス州の油田開発は、徐々に海岸域へと開発地域を拡大し、1938年には海上プラットフォームの建設にも成功しています。

その後の開発は当然、深度へとシフトし、1990年以降浅海の生産量衰退に反比例して深海域での生産量を増やしていきました。近年は、浮遊式プラットフォームや半潜水型プラットフォームなどと共に、パイプライン敷設など整備が進み、海上には停泊(碇を下すこと)を禁止す
る看板が出ている地域すらあるそうです。
そんな急ピッチの開発が続く中、今回の悲惨な事故は起きてしまいました。

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油田自体は、
プロジェクト名「マコンド・プロスペクト(Macondo Prospect)」という名で2010年2月から採掘を開始していたようです。
因みにこのプロジェクト名はガルシア・マルケスの「百年の孤独」に出てくる蜃気楼の村「マコンド」からつけられたようです。
焼酎の名で耳にしたことがある方もいると思いますが、皮肉なものです。

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2010年4月20日夜半過ぎ
世界最大の沖合掘削請負会社といわれるトランスオーシャン社が管理するル
イジアナ州ベニス沖の石油採掘施設「ディープウォーター・ホライズン」に
て、大規模な爆発があり、行方不明者11名、負傷者17名を出す大事故が発生
した。
当時作業員は126名、採掘施設は22日未明に水没。

このような報道が世界を駆け巡り、連日国内メディアからも同様の報道がなされてていました。

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事故を起こした「ディープウォーター・ホライズン」(Deepwater Horizon)は、自動船位保持装置(Dynamic Positioning System、DPS)を備えた半潜水式の石油プラットフォームで、海に浮きながら自動で位置を調節して大水深の海底から石油を掘削することができる機能を持っていたそうです。

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建設は1998年末から韓国の現代重工業が行い、2001年にR&Bファルコン買収によりトランスオーシャンに引き渡されたそうです。

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2009年10月に別のリグでの採掘を開始したのですが、ハリケーンの影響で損傷し、2010年1月に交換後作業を進めていたようですが、内部で定められた工期を超過し、遅れによる損失が日々かさんでいた様です。
(一日当たり推定約100万USドル)

そのような背景もあり、現段階で原因とされているものは、安全管理と経費削減という表裏に関わるものが数多く挙げられています。

その一部を挙げますと…

2010年4月20日
午後5時 「圧力テスト」を行い圧力の急激な上昇を確認
油井からの噴出を目撃したが、作業を続行

セメント作業後のセメントチェックを省略し118,000ドルの費用と12時間の
作業を節約

センタリング装置は21基推奨されたが、6基であった。

通常用いられる鋼管は2重だが、使用されたのは通常の鋼管であった。

などなど、各社こぞってBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)[*2]のずさんな管理と決定を問題とする報道を行っています。

*2:ブリティッシュ・ペトロリアム(英)は本プロジェクトの責任組織で、65%の権益を有していた。

報道の真偽は別としても、安全管理体制に問題があったことは間違いないようです。

このような中でも作業は進行し、井戸の掘削作業は完了。
その後、井戸元をセメントするためにBOP(噴出防止装置)の上部を開放したところガスが噴出し鋼管を通って海水と共に吹きあげたようです。
そのガスに引火し、爆発・炎上したそうです。

と、書いては見たものの、何だかわかったようで良く分からないですよね…

だんだんと、当初の趣旨から外れてきていますが、まずは油井について簡単に解説してみたいと思います。少し長くなりますが、お付き合い下さい。

まず、石油の井戸掘りは、船を使って行い、今回は「ライザー掘削」という工法で行われたようです。

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この「ライザー掘削」は、大型研究船「ちきゅう」にも採用されており、この紹介のページで解説されていましたので、紹介します。

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図に噴出防止装置と書かれているものが、先ほど出てきましたBOPです。
今回の事故で大きく注目されている装置ですね。

図では少しわかりにくいですが、ライザーパイプはBOPまでしか繋がっておらず、地下にはケーシングと呼ばれる鉄管が埋められているそうです。
実際に井戸を掘る際には、この二つのパイプ内を「泥水(でいすい)」と呼ばれる液体を循環させながら行うそうです。

この泥水は、かなり重要な役割を持っていて、
「ビット(実際に掘るドリルの刃)の冷却」
「自重で地層から吹き出そうとするガスや油を抑え込む」
「堀屑を船上へと運ぶ」
「井戸の壁に泥の膜を形成し、井戸を内側から補強する」
などと、多種多様の働きを行うようです。

ここで重要なのが、深海での掘削作業は、
「泥水を使いパイプ内を高圧に保っておかなければ、ガスや油の侵入を許
してしまい、暴噴してしまう危険性がある。」

ということです。

続いては、井戸の説明です。
井戸自体の構造は、数千メートルを掘りぬくために、補強しながら進んでいくようにできているそうです。
この補強のために入れるものが、ケーシングとライナーと呼ばれる鉄の管です。
初期は太いものを、進むにつれ徐々に細いものを入れていき、幾重にも補強を繰り返していきます。

事故を起こしたリグの持主であるトランスオーシャン社の報告資料に、事故直前の井戸の様子が図面化されていたので、これを利用して進めます。

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少し説明のために図中に書き込みをしましたが、海底面から上の部分が、BOPです。
下部のケーシングが井戸の上までつながっている鉄管。
ライナーがほりたした部分を補強するカバーだそうです。
図を見ていただきますと、ケーシングとケーシングの間に、「アニュラス」と呼ばれる、隙間ができていることがお分かりになると思います。
通常この部分は、セメントで埋めていくことになっており、この埋めが甘いと、ガスや油が侵入し隙間を通り、地上まで噴き上げてしまうような状
況を作り出してしまうそうです。
何となくお分かりいただけたでしょうか?

参考資料(pdfファイルですのでご注意ください)

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この油井は、まず油が存在しているか確認のために掘削を行い、その存在が確認できたら、生産をするための井戸へと転用をはかる「Keeper」と呼ばれる井戸だったそうです。
実際、油の存在を確認でき、井戸は一時的に閉じる過程にあったそうです。

図中の中心部にある「プロダクトケーシング」は、最後に挿入されるもので、無事設置も終わりセメント作業も終了していたようです。
前述の経費削減で述べたように、セメントチェックが省略されたといわれる部分です。

その後、夕方5時に「ネガティブプレッシャーテスト」という圧力テストを行います。
この「Negative Pressure Test」は、文字通り、井戸内を減圧していき、地層面と井戸がしっかりと隔離されているかを確認するテストです。
図中の中央部に海水が入っている部分があります。
このように井戸内を泥水より軽い海水と置換することで、井戸内外の圧力差を大きくしていきます。

このテスト段階で、予想をはるかに超える流体が戻ってきたと報告には書かれています。
(予想流体量800リットルに対し3倍の2400リットルのリターンがあった)
これは、井戸内に油やガスが入り込んだことを示しているということです。

他にも様々なテスト段階での異常があったにもかかわらず、BPは井戸内部の泥水を海水へと置換するプロセスへ進むことを決定します。
井戸内部からの流体リターンは止まらず、非常に不安定な状態にあったようです。
この段階での対策については、調べた限り見つけることはできませんでした。

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やがて流体のリターンは、ガスの噴出へと変わり、おそらくリグのディーゼルエンジンに引火し、爆発したのではないかという見方が強まっているようです。

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一通り、事故が起きるまでを振り返ってみましたが、結果として11名もの死者を出した事故において、油にまみれた鳥やウミガメが大きく取り扱われ、人命についてあまり触れられない事に少し疑問を感じました。

当然、この事故が環境に及ぼした悪影響は計りしれません。
人間は過去にこのような大きな過ちをたくさん犯してきています。
ただ、そんな過ちを反省材料とし、より良い社会を築こうとしているのもまた人間ですよね!

事故後のメキシコ湾の写真がたくさん掲載されていたので紹介いたします。
Boston.com TheBigPicture

かなりの長文になってしまいました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
機会が許せばまた、現在の状況などお伝えできたらと思っています。

この事故のことを調べることで、より「毎日を大事に生きなくては」という思いになりました。
生きていればいつこのような事故に巻き込まれるとも、事件に巻き込まれるともわかりませんが、そのことを危惧して踏みとどまらず、いつそのようなことになろうとも、誇れる後悔のない人生を生きるためには、日々一歩一歩を大事に踏みしめていかなくてはならないと感じました。

日々の過ちを反省でき、今日という日を生きれることに感謝しながら、
今日も一日、元気に頑張りたいと思います!